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太刀・刀

賀州住兼若

商品番号 :B-013-I-132

江戸前期 加賀 特別保存刀剣 白鞘・拵付

1,500,000円

刃長:63.0 cm 反り:1.4 cm 重ね:0.70 cm

体配
本造、庵棟、中心は生で孔は一つ、鑢目は筋違。表裏に鎺元まで棒樋を掻流。
地肌
小板目が密に詰んで、元先まで総体に柾目心に流れる。地肌は極めて精美!
刃文
直調に大弯れに小乱れ交じり。匂口は小沸出来、刃沸が刃中に厚くつき刃縁が冴える。
鋩子
直ぐに小丸。先は掃きかけ気味に尋常に返る。
備考
明るい陽射しで見れば清廉な貴婦人、夜の月明かりにかざせば妖艶な淑女・・・そんな顔を覗かせる何とも魅惑的な刀です。見ているうちに引き込まれる感覚を覚え、虜になってしまうと言ったら大げさでしょうか(これはあくまで店主の感情ですので、くれぐれも誤解のないように)。女性に例えたのはその華奢ともいえる細身の姿からで、寛文・延宝頃の刀姿をスタイルよくシェイプアップしたかのような身軽さを感じる刀で、重ねも少し薄めで手に持つとふんわりと軽く感じます。確かに研減ってはいるのですが、耗り方は同時代の刀に較べてもごく普通で、最初からが細身で軽量化を意識した造込だったことは明白です。長さも2尺1寸・・・本刀は、刀の定寸が2尺3寸5分とされた時代に入った頃に作られていますから、注文主の要求に合わせた誂えものだったことがわかります。どうりで地肌が澄んで精美な訳です。地肌の項目で、小板目肌が流れて柾目心と書きましたが、よくよく見ると、もはや密に詰んだ柾目と言ってよいでしょう。その柾目が所々流れる所作に沿って弯れた深い匂口となり、細目の身幅と相まって気ままな女性のような印象を与えているようです。
本刀の作者は加州の3代兼若、当時の賀州における随一の刀工です。その兼若に注文打をさせたのはそれなりの高位にある武士。兼若もそれに応えるだけの作を作ったのでしょうが、まさかここまで妖艶なイメージ溢れる作になるとは本人も想像しなかったのではないでしょうか。それとも、最初から狙った一振だったのでしょうか。皆さんもぜひお手にとって、この妖しさを感じてほしいものです。(もちろん売り買いは別にしてお待ちしています)

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