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太刀・刀

於柳生庄源貞弘造之 是随鍛也 昭和甲子年仲春吉日

商品番号 :B-047-110

現代 白鞘

820,000円

刃長:71.2 cm 反り:2.2 cm 重ね:0.67 cm

体配
本造、真の棟、中心は生で孔は一つ、鑢目は化粧に筋違。表裏に棒樋を掻通。
地肌
杢目調の板目をよく詰んで年輪のような綾杉風となり地景となって現われ精美。刃寄りは柾目がかかる。
刃文
焼幅やや広く小沸出来。直調に五の目乱。鍛えた地肌の模様に沿って小沸がつき、葉・足が入り、金筋、稲妻、砂流が頻りに現われる。
鋩子
刃文がそのまま入り込み、肌に沿って掃きかけ火焔風となる。返はやや浅目。
備考
貞弘刀匠が63歳の時、昭和59年に作刀した刀です。一見、鎌倉末期の太刀を写した作かと思ったのですが、登録証には刀とあります。よく刀剣店で貞弘刀匠の刀や太刀を紹介している解説を見ると、正宗写としているところが多く、本刀もその一振かと思ってしまいます。確かに姿は鎌倉末期の太刀姿、匂口には金筋や稲妻がいたる所に現われ、それを讃えて正宗写としているようです。相州伝の写で評価がすこぶる高かった貞弘刀匠ですが、当の本人もやはり正宗を狙っていたのでしょうか。少し気になるのは、貞弘刀匠の師匠は月山貞勝だということです。本刀もその影響が色濃く表れ、地肌は少し横長の丸い年輪のような杢目が刃幅の真中あたりに現われ、まるで月山肌のような綾杉風となって鎺元から切先までパターン化されて鍛えられています。ん〜、綾杉風正宗写! 鍛がそのまま地景となったような冴えた地肌、悪くはありませんね。表情豊かで楽しめます。それと銘にある「是随鍛也」ですが、どうもよく判りません。誰かご存知ですか? 勝手に解釈すると、気の向くまま、あるがまま・・・つまり、「鍛の赴くまま」と思えば良いのかと・・・こう書くと、どんどん正宗から離れてしまいそうです(当店は無銘しかない正宗について余り詳しくないので、このへんの講釈が精一杯、すみません)。
そんな本刀ですが、身幅が広く重ねは少し薄めで大切先。豪壮に見えますが意外に軽量です。見所はやはり金筋、稲妻、砂流の肌に沿って所作する働きとしたいところですが、当店としてはぜひ、この綾杉風の月山肌、その鍛「是随鍛也」を見てもらいたいと思います。

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