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太刀・刀

泰龍斉宗寛造之 明治二年十月日

商品番号 :B-051-I-137

明治期 武蔵 特別保存刀剣 白鞘・拵付

1,500,000円

刃長:64.1 cm 反り:0.90 cm 重ね:0.80 cm

体配
本造、庵棟、中心は生で孔一つ。鑢目は化粧に筋違。
地肌
板目に小板目交じりが流れて柾目肌になる。よく詰んで極めて精美な肌となり、指裏に地景が出る。
刃文
焼幅やや狭く、小沸出来の中直刃。匂口は締り心、刃中は沸づき刃縁は冴える。
鋩子
直に入り小丸がやや浅く返る。
備考
綺麗な地肌です。板目が流れてほとんど柾目肌といってよいでしょう。指裏には肌目に沿って地景も見られます。薩摩の黒っぽい芋蔓風ではありません。明るく光って細い金筋が長く流れた感じです。この地肌だけでも十分に見応えのある一振ですが、叢のない見事な直刃がすーっと切先へ伸びていき、総体に爽やかというか機能美というか、精美な一振という印象です。
宗寛は固山宗次の門人で、師匠同様に備前伝の五の目の作を得意としていますが、本刀のような直刃の作は珍しいようです。五の目であれば小板目に匂出来。しかし本刀は匂出来に近い小沸出来、そしてほぼ柾目です。長さも2尺1寸5分強・・・注文打でしょうね。直刃は問題ないとして、柾目風に鍛えたのは何故でしょうか。備前伝なら小板目肌で直刃を焼けば済む話です(ただし、本刀にはない小足が入るかもしれません)。まるで大和伝を試みたかのような・・・謎はともかく、柾目風の鍛の所作には感心します。本刀が作られたのは明治2年。宗寛が円熟を増した時期、いや作刀でいえば最晩年であり、変革・騒乱の時代です。宗寛の中で作刀に対する何かしらの変化または決意があったのかもしれません。
保存状態は申し分ありません。何せ明治2年ですから健全そのもの。地肌はもちろん地金の輝き、刃には肉がつき、新々刀らしい中心の錆色、至って良好です。因みに本刀には拵がついていますが、素銅地の縁頭に石黒政美の銘があります。でもこれは信用出来ません(当店は小道具の銘には全く自信がないので偽銘と断定は出来ませんが・・・)。鐔は幕末の鉄鐔(碁石形)で丹州住定正と銘があり、素朴で無骨ながらなかなか良い作です。

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