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太刀・刀

宇多入道勇源 国宗父子作

商品番号 :B-052-I-134

江戸前期 越前 特別保存刀剣 白鞘・拵付

売約済

刃長:63.8 cm 反り:1.60 cm 重ね:0.75 cm

体配
本造、庵棟、中心は生で孔一つ。鑢目は筋違。
地肌
小板目肌よくつんで無地風の肌が交じる。鎬地棟寄りは柾心に流れる。
刃文
焼出にはじまり、腰の浅い五の目乱が元先まで続き、丁子の足が盛んに所作する。淡い移が鎺元から現われる。
鋩子
直に入り先が掃掛て小丸が尋常に返る。
備考
大坂焼出からはじまる腰の浅い五の目乱が連続します。美濃とは結びつきが深い越前の作ですが、関の三本杉のように尖もなく穏やかな刃文は、まるで大坂新刀を見ているようです。匂口も匂出来でふっくらとして深く、刃縁も沸づいた叢もなく冴えて上手です。その匂口から刃先へと伸びる柔らかな丁子は、頭が揃い盛んに所作します。この点からは、備前伝の写とも思え、失礼な話、越前らしからぬ垢抜けた一振です。この丁子の様は中々上手で美しく見応えがあり、地肌もよく詰んで冴え移も見てとれ、どうしてどうして見所が随所に隠れています。やはり刀は先入観で見てはいけません。本刀を入札鑑定会に出したら、どんな札が入るやら・・・試してみたい気もします。
姿は寛永の頃でしょうか。反はやや深めで元先に差がありやさしい印象を受けます。作者は越前の宇多入道勇源とその子国宗の合作です。国宗は室町前期から続く古・宇多国宗の末裔でしょうか。宇多を称しているのですから多分その系統のはずで、新刀期における古宇多の末裔親子の合作・・・古宇多は大和の出と書かれていますから、美濃の出が多い越前刀工との関係も気になるところです。そういえば、本刀は日刀保の「刀剣美術・25年10月号」の収載品と聞いていますから、詳細が判るかもしれません。(当店の解説とはまるっきり異なった内容が書かれているかも・・・その時は当店が嘯いたと罵ってください) 因みに本刀の拵には、赤銅七子地に銀と素銅で菊図を配した鐔と、蝶をあしらった縁頭が付けられています。鞘は新身ですが柄前は幕末はある優品です。

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