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太刀・刀 “うもれし”一振

近江守源来定盛

商品番号 :B-060-I-153

江戸前期 山城 保存刀剣 白鞘・拵付

350,000円

刃長:63.4 cm 反り:1.4 cm 重ね:0.68 cm

体配
本造、庵棟、中心は生で孔は二つ、鑢目は切。
地肌
小板目良く詰んで精美な肌となる。鎬地棟寄りは柾目心に流れる。
刃文
焼幅やや広く、小沸出来の腰の開いた五の目乱に小足が入る。匂口は締り心で、所々ほつれて小沸がつき刃縁が冴える。
鋩子
直状に入り小丸となってやや深く返る。
備考
反浅めで元先に差がある寛文延宝頃の姿、やや身幅が狭く優しい感じのする刀です。刃長は二尺一寸強、定寸の概念が広まった頃の時期を考えれば、注文の誂えものと考えてもよい長さです。作者の定盛は著名な刀工ではありませんが、注文打となれば気合いを入れたことが本刀の所作に表れているようで、中々のものです。京焼出から始まる腰の開いた五の目乱は、備前のそれとは違って腰が低く穏やか。そこに足が所作し、やや締まり気味とはいえ小沸の匂い口も深く柔らかです。表裏の刃文はどちらかといえば揃っている方で、写だとすれば、国光あたりを狙ったものかもしれません(定盛は山城の刀工ですから来を目指すのは当然ですよね?)。ただ、小沸が凝った箇所が何箇所かあり、これも国光の所作にあるようですが、出るよりは出ない方が良かった所作だと思います(働きが豊富な所作だとか、沸崩のムラを当店は褒めたりしません・・・考え方・見方の相違ですが)。それでも、小板目を良く詰んで地肌はキレイで刃縁も冴えています。注文主も納得の一振だったことでしょう。
定盛についてはあまり記述がなく詳しいことがわからない刀工です。おそらく三品一派で京五鍛治の誰かの門人かと、来を名乗っているので、たぶん初代伊賀守の弟・来金道門かなと(あくまで憶測です)。無名に近い刀工でもここまでやれるのですから見直しました。評価してよい一振です。

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