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太刀・刀

太刀

東都住靖武 昭和五十年十月吉日

商品番号 :B-068-158

現代 無鑑査刀匠 白鞘

650,000円

刃長:76.6 cm 反り:2.4 cm 重ね:0.88 cm

体配
本造、庵棟、中心は生で孔は一つ、鑢目は化粧に筋違。表裏に棒樋を鎺元下まで掻流。
地肌
小板目肌が細かく良く詰み無地風の肌となり極めて精美。刃寄りは柾目心に流れる。
刃文
匂出来のやや締まり心の細直刃。所々、短い小足が所作し古風な風合いとなる。焼幅は尋常に刃縁が冴える。
鋩子
直に入って小丸となり、やや浅く返る。
備考
地肌の鍛えが見事です。無地風といっても小板目が整って見えているのがわかり、刃寄りは柾心に流れる様も見て取れます。それが元先までムラなく均一広がって、もはや背景としての地肌ではなく主役を演じるかのように思えます。もう一つの主役は、もちろん細直刃。締まり心にキリッと、一本の信念のように刀身を走り抜けます。まるで静寂を突き抜ける光の筋のようです。襟を正したフォーマルな一振とでも言うのでしょうか。
光をかざした匂口には所々小足が所作するのが見え、単に一本調子の焼きではないことがわかります。気のせいか二重刄風の所作と思える個所もあったり、淡い移も出ています(幻かな?そう見えているだけか?・・・とうとう目も衰えてきたのかも)。焼幅も尋常というより少し狭く、いろんな意味で古風な造込に思えます。そこから大胆にも、本刀は来か粟田口の写かと想像したのですが・・・ちょっと苦しい見解かもしれません。他に捜せば、ありました・・・もし、この細直刃が帯状の中直刃ぐらいあったのなら、肥前の近江大掾に見紛える程です。地肌に限っては極めて似ています。いやいや、武蔵大掾の方が近いかも。結構、支離滅裂になってきまので・・・・地肌は武蔵大掾、匂口は来、ということでいかがでしょうか?
八鍬靖武刀匠はいわゆる靖国刀匠の一人で、昭和56年に無鑑査刀匠になっています。相伝備前が得意とかの評価もありますが、本刀に限っては匂出来の整然とした一振。得意不得意は別として、上手な刀匠は何をやってもそつなく上出来・・・裏を返せば、本人が納得した作だけを出しているわけで、これがまた信念がないと出来ないことです。靖武刀匠には「さすが!」の賛辞を送ります。

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