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太刀・刀

伯耆守藤原汎隆 越前住

商品番号 : B-072-I-199

江戸前期 越前 保存刀剣 白鞘・拵付

売約済

刃長:63.9 cm 反り:1.0 cm 重ね:0.75 cm

体配
本造、庵棟、中心は生で孔は一つ、鑢目は勝手下。
地肌
元の方は板目、上は小板目交じり、よく詰んで刃寄り鎬地は柾目に流れる。
刃文
焼幅広く、尖刄の交じった五の目乱に丁子の足が入る。匂口は小沸出来でふっくらと深く、刃中に小沸が微塵につく。
鋩子
直状に入り少し乱れて小丸となって尋常に返る。
備考
反浅く元先に差があり中切先、見たまま寛文新刀を地でゆく姿の本刀。長さは二尺一寸強で、定寸より少し短めの分、優しく見えます。しかし重ねは厚めで思ったより武骨、研減りもあまりなくいたって健全な状態を保っています。特に鎺元・研溜あたりを見ていただくとその健全さが伝わると思います(ただ、指裏の中程の鎬地に鍛痕があります、ご報告まで)。鎬幅は狭く、焼幅が刃の半分ほどで、刃・地・鎬がちょうど各3分の1ずつに別れて見えます(普段は気づきませんが、こうして比べてみると面白いものですね)。
刃文は小乱風の五の目乱。尖刄が所々に交じっているあたりは越前らしいというか、改めて関の流れを汲む一派だと思わされます。ただ、この尖刄、キブい感じがしません。匂口がギリギリと締らず、ふっくらとした深く焼かれているからでしょう。さらに丁子の足が頻りに出ていて、刃文を正面から見るのと光をかざしてみた匂口の印象は大違いです。この小沸出来の匂口、恐れながら虎徹に似てなくもありません。(こんな風に書くと、虎徹に失礼だとお叱りを受けそうですが、わたしの個人的な印象なのでどうかお見逃しを・・・) もちろん、地肌も刃縁の冴も虎徹には及ばない本刀ですが、ぜひ経眼してこの匂口を評してほしいものです。その上で強烈なご指導いただければ嬉しく思います。
本刀の作者は初代・汎隆(ひろたか)。越前下坂の刀工で、兼植(かねたね)の門人です。「ぼんりゅう」とか「ぼんたか」とかの愛称で業界では呼ばれているようです。
拵は新しいものですが、鞘の色合いがちょっと珍しく、緑がかった鼠色です。柄巻も濃緑。四分一の縁頭が秋草に蟷螂と牛車でちょっと洒落ています。鐔は「鐔」の図柄?ですが、なぜか裏は鉈が一本彫られているだけです・・・説明が難しいのでこのへんで・・・。

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