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脇指

脇指

肥前国住藤原忠廣(初代) 八月吉日

商品番号 :C-006-082

江戸前期 肥前 特別保存刀剣 白鞘(寒山鞘書)

売約済

刃長:51.4 cm 反り:1.4 cm 重ね:0.67 cm

体配
本造、庵棟、中心は生で孔は一つ、鑢目は切り。
地肌
小杢目肌よく詰み、精美な肌となる。鎬地は細かい柾目をよく詰み明るく冴える。
刃文
焼出から焼幅広く小沸本位の五の目乱、連なる五の目と箱乱風の五の目が交互にきて、表裏ほぼ揃う。匂口はやや締り心で、葉、足がよく入り、指裏の物打から上は逆がかる。所々金筋・砂流風の葉がかかり、総体に小沸が微塵につく。
鋩子
先は小沸が掃きかけて、小丸にやや深く返る。
備考
武蔵大掾時代の忠廣は「五の目が重なって角張る気味がある」と本阿弥光遜が述べていますが、確かに本脇指もその気味があり、少し異なるのは尖がなく穏やかな刃文になっている点でしょうか。本脇指は寛永の頃の作で身幅、重ね尋常ですが、やや反があり、焼幅が広く鎬筋辺まで焼かれています。刃中も働が盛んで、煌びやかではありませんが砂流風の葉が所々に表れ、足も長めに入っている辺が見所でしょう。そのせいか、刃中の働についてはあまり意図的な所作が感じられず、穏やかで優しい自然な姿に映ります。改めて地肌に目をやると、焼幅が広いので刃縁と鎬筋の間がせまく見づらいのですが、小杢目のよく詰んだ精美な肌の冴えに感心することしきり、やはり上手です。
本脇指の銘は俗にいう献上名で、武蔵大掾の官名が刻まれていません。年紀も月日だけ刻まれ、抱主への自らの献上なのか、注文による献上なのか判りませんが、優秀の一振には違いありません。因みに、本脇指は日刀保の特保が付いていますが、他に日本刀剣保存会の鑑定書も付いています。

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