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あつらえの逸刀

脇指

豊州高田住藤原統行

商品番号 :C-030-I-102

江戸前期 豊後 特別保存刀剣 白鞘・拵付(縁頭・目貫は保存刀装具)

550,000円

刃長:59.8 cm 反り:1.6 cm 重ね:0.82 cm

体配
本造、庵棟、中心は生で孔は一つ、鑢目は切。
地肌
小板目よく詰み、鎬地は板目が柾ごころに流れる。鎺元より白気移が鮮明に出る。
刃文
焼き幅広く、小沸出来の五の目丁子乱。匂口は締まり心で尖刄、海老の足状、矢筈状の刃が頻りに交じる。
鋩子
直状に入り少し弯れて先は小丸、返はやや深い。棟焼が少し出る。
備考
結構細かい五の目丁子乱にどちらを向くでもない小足が賑やかな一振。細い海老の足状の小足、これまた細めの尖刄が縦横に働いて実に動きのある刃文となっています。それがまとまって矢筈風の乱になっている箇所もいくつかあり、総体にはまとまって見え、部分的には複雑な景色を作り出しているようです。地肌は肌立つほどでもなくよく詰んでいて、そこに白気移が鎺元より鮮明に出ているあたりは、高田物の間違ったイメージを払拭するのは十分かもしれません。色んな所作が入り混じった刃文だけに、誰かの写ではなく統行あるいは高田の独創性が感じられる作と受け止めたいと思われます。指裏の物打よりちょっと下の鎬に、鍛跡の疵がわずかに出ています。鑑賞に差し障るものではありませんが、気になる方はご考慮ください。
実は本脇指、中原信夫氏の著書「大分県の刀-室町期からの-」に載っています。統行の初代は室町後期の天正頃から三代まで続いているようですが、著書の中で中原氏は代別は困難と言っており、銘振や姿・刃文などから推察し古い順に押形を載せています。その最後から2番目(ちなみに最後尾は槍)に本脇指を紹介しています。つまり本脇指の代別は三代、承応・明暦ころの統行です。確かに姿は寛永頃で、鋩子も乱れてはいません。短いながらも焼出風の所作も見られます。
そんな本脇指ですが、長さに注目です。今の基準で言えば脇指ですが、研減りを考慮しなくとも刀の部類と考えてもおかしくはありません。長脇指として、それとも刀として作ったのかは知る由もありませんが、実用の刀、使える刀として作ったことは間違いなさそうです。(憶測ですが)郷土の侍の注文作でしょうね。・・・それにしても今の分類の基準は困ったものです。1ミリでも短ければ脇指・・・それを勝手に解釈して価値を低くしてしまう刀剣商がいけないのでしょう。そして、それを鵜呑みにして寸足らずだから価値が低いと思わされる愛刀家の皆さんが一番の被害者かもしれません。本刀を目にし、改めて通説・既成概念の悪い部分を思い知らされます。(愚痴っぽくなり申し訳ございません) ちなみに、拵の縁頭と目貫は保存刀装具で、どちらも極は「佐野」。縁頭は「三巴紋図」、目貫は「三つ巴図」。鐔も三つ巴ですがこちらは鑑定書がついていません。一作物ではありませんが、揃金具の拵となっています。

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