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導かれし末古刀

脇指

備州長舩経家 應永丗三年八月日

商品番号 : C-042-S-194

室町前期 備前 特別保存刀剣 白鞘・拵付

2,100,000円

刃長:37.6 cm  反:0.45 cm  元幅:2.62 cm  先幅:1.95 cm  重ね:0.57 cm  目釘孔:1つ

体配
平造、庵棟、生中心、鑢目は勝手下。表裏に棒樋を鎺元上で丸留。
地肌
小板目肌に板目交じり、良く詰んで総体に僅かに肌立つ。移が鎺元より鮮明に立ち、刃文からの煙込が明瞭に現れる。
刃文
焼幅やや狭く、匂本位の小五の目乱に小乱が交じる。匂口はふっくらと、小足が頻りに働く。刃中に微塵な小沸が付き、葉も所作する。
鋩子
乱れた刃文がそのまま流れ込み、浅く返る。

応永備前の平造脇指です。刀の変遷を学べば、必ず出てくる作例の一つです。姿頃合いに優しい感じで、匂口の刃縁は柔らかく美濃のように尖った怒つい刃が交じりません。この頃の作例の8割が備前物ですから、まさに見本となるべき作品で、少し先反気味の程よい反、フクラも残り健全な応永備前の姿を今に残しています。全体から発する古風な風合いが見所ともいえ、肌立ちながらも地肌が柔らかで美しく、匂口はふっくらとして叢のない刃縁は、数物にはない出来の良さが十分に感じ取れるはずです。それでも、時代の疲れは避けられません。重ねにも身幅にもそして切先にも時代相応の減りがあります。当然といえば当然で約600年も経っているのですから、それを誰も咎めることはできません。中心も生中心、現存する作例は、かなり疲れて状態も芳しくないものが多い中。本脇指の健全さはかなりのものと自信を持って言えます。

作者の経家は、応永備前の三光「盛光・康光・師光」に比べ、評価が低いようですがどうなんでしょう。本阿弥光遜は「日本刀の掟と特徴」の中で、家助と経家について「・・・盛光、康光に似るが何処か洗練されない気味がある、・・・刃文は小乱で淋しい・・・」と評しています。まあ、本の中のことで総評としてはそうなのでしょう。しかし、本脇指の刃文は決して淋しいものではなく、焼始めは小模様に上から切先にかけて大模様になり、どちらかと言えば康光に似た刃文。谷底から小足が出て働きも豊かです。そして何より、移です。応永備前の最大の特徴である棒移が鮮明に立っていることが重要であり、見所でもあるのです。これが乱移だったり、移自体がなかったら・・・皆さん、冷や汗をかく羽目に。本脇差には見事な煙込も明瞭にみてとれ、応永備前として非の打ち所がない見所を備えています。結構な勢いで本脇差を持ち上げてしまいました。ただ、僅かしかない疲れた在銘の古刀を追いかけるのも夢ですが、まだ厳然と残されている健全な末古刀に目を向けてみてはいかがでしょう(今年もまた、大量の無銘重要の古刀が生まれたようですので・・・)。
本脇指の拵はおそらく合わせ物です。柄前も鞘もそれなりに古いのですが、幕末があるかどうか・・・金具は赤銅の目貫(武者図)のほかは山銅で、縁頭は馬具図、鐔は山椒?、栗型と返角は古木(桜か梅か松か不明)?、小柄は群馬図・・・いやはやバラバラですね。ただ、状態はしっかりとしています。

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