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脇指 “うもれし”一振

脇指

寿命

商品番号 : C-048-U-195

江戸後期 美濃 保存刀剣 白鞘・拵付

240,000円

刃長:46.3 cm 反:0.9 cm 元幅:3.05 cm 先幅:2.14 cm 重ね:0.66 cm 目釘孔:1つ

体配
本造、庵棟、生中心、鑢目は切。
地肌
板目に小板目交じり、少し柾心に流れる。鎬地・棟寄りは柾目となり、移が出る。
刃文
焼幅頃合いに匂出来の細直刃。匂口は締って刃縁が冴え、所々ほつれ気味になりネズミ足風の小足が所作する。
鋩子
直調に入り先は掃きかけて綺麗な中丸となり、やや浅く返る。

当時の侍の間では縁起を担いで持て囃された寿命ですが、現在はどうなんでしょう。今は侍はおりませんし、愛刀家の方々の意見や趣向も推し測れない当店では、当てずっぽうな売り文句しか思い浮かばないので、素の本刀を見ていきたいと思います。
地肌は板目に小板目が交じって少し肌立って見えるものの、研減っていたり荒れているわけではなく柾目心に流れるためにそう映るのだと思われます。意外なのは移で、かなり明瞭に鎺元から切先まで棒移が現れています。備前物と異なるのは煙込がないことでしょうか。なので、刃文が直刃ということもあり、刀身の鎬地を除いた平地が4つのトーン(刃、匂口、平地、移)に分かれ縞々に見えます。こうしてみると刀って単純ではないんだなと思わされます。その匂口はキリッと締り、刃縁に柔らかく匂出来の小沸が所作しています。なかなかシャープな匂口で、物打あたりに小足が出ています。あえて悪い点を挙げるとすれば、刃先に反射する輝きが一様ではないことで、これは完全に研叢。刀に非があるのではなく研の状態によるものです(地肌も含め美濃だからどうのこうのというのは偏見です)。それを除けば状態もかなり健全で、松葉角の膨らみも十分残っており良い状態を保っている一振です。

姿は反がやや深目、元先に少し差がある中切先の小脇指。小脇指といっても1尺5寸強ありますから、定寸よりコンパクトな脇指という事で。問題は時代の極・・・この体配からは寛永頃、もしくは元禄頃の姿と推測されるのですが、いかんせん二字銘の寿命です。新々刀まで続く一派ということもあり、正直極めきれません。ただ、匂口の締まり加減からは元禄頃の新刀・寿命と言いたいところですが、鋩子の返(匂口の締まり加減)も考えれば新々刀に近いとも言えます。元禄を過ぎて江戸後期に入った頃としたら、これこそ当てずっぽうだと言われそうですが批判を承知で「江戸後期に入ったあたりの寿命」ということにしてください。
ちなみに本脇指にはちょっとだけ貴重な拵がついています。鞘は新しい合わせ物ですが、柄前は幕末の古い作。その柄前の柄巻が珍しいのです。巻き方ではありません。素材が絹や木綿といった布や革ではなく和紙なのです。そう、紙です・・・和紙を紙縒(こより)にして漆を塗った柄糸です。想像するに下級の侍が使ったものでしょう。よく見ないとわかりませんが、虫喰いの跡もあって時代の風合いを伝える柄前、これは大切に残していきたい希少な一品です。

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