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脇指

脇指

於皇都朝臣造 天保十二年十一月日

商品番号 : C-066-279

江戸後期 土佐 保存刀剣 拵付

400,000円

刃長:33.5 cm 反:0.45 cm 重ね:0.53 cm 元幅:2.65 cm 先幅:2.00 cm 重さ:125 g 目釘孔:1つ

体配
平造、庵棟、生中心、鑢目は切。表裏に文字を焼く。
地肌
小板目を密に詰んで無地風の肌となり、やや流れ心。
刃文
直調の直刃に文字を絡める。匂口は締り心のふっくらとした匂出来、文字の個所は皆焼風になり、飛焼、棟焼がある。
鋩子
直調に入り小丸となり、掃かけて深く返る。
於皇都朝臣造 天保十二年十一月日

表に南無妙法蓮華経、裏に妙見大菩薩の文字を焼いた珍しい一振。直調の刃文がこの文字と絡み合い、ある意味、文字自体も刃文の一部として成立しています。これをどう評価し伝えられるか、難儀な作・・・好みも分かれるでしょうが、匂口から見てみます。匂出来の締った匂口は叢沸もなく冴えわたりますが、もし粗い沸出来なら文字が不明瞭になっていたかもしれません。所々、文字焼周辺に匂崩がありますが、よく見れば文字の一部だったりして、よくコントロールされた焼きと言えます。棟焼もあり、身幅一杯に焼かれた様は、もはや皆焼状態・・・それでも沸出来の不定形な皆焼と違って、かなり意図的なデザインとしての刃文は十分に伝わってきます。切先の下のある丸い小さな飛焼は表裏共にありますから、これも意図的な所作でしょう。元の方にも五の目が表裏に一つずつ。指表側は文字と一緒になっていますが、これもおそらく意識的な所作。ここまでくるとユニークさを超え、これはこれで一つの刃文として認めてもよさそうな気がします。それに、ここまで焼きをコントロール出来るその腕を褒めるべきかもしれません。・・・簡単そうに思えますが、こういった焼きは非常に難しいそうで、見事に焼き上げた刀工に拍手です。地肌も小板目をかなり密に詰んで無地風となり、文字の所作を一層引き立てるキャンバスの役割を果たしています。

作者は南海太郎朝臣。江戸後期の土佐の刀工ですが、本作が作られたのは「於皇都」と銘にありますから京都での作刀でしょう。また彼は『刀剣五行論』『宝剣奇談』『新刀銘集録』などの著書も残した刀剣研究の理論家だったようです。考えてみれば本刀も研究の一環として作ったのか、それとも注文打だったのかはわかりませんが、余興で作ったとしたら随分と複雑な文字に挑んだものです。それも表裏にですから、作るに至った経緯は別にしても成功作と言えます。
体配は平造の寸延短刀、重ねは薄く先反のついた古風の姿をしています。拵は濃い灰色の地に金の縁がある松皮模様、縁頭は赤銅七子地に金銀色絵の水仙図、目貫は赤銅地容彫の三つ巴紋三双図。なかなか古そうで幕末期はありそうな風合いです。鐔は鉄地に網代模様を施し金色絵を施した矢羽を彫り上げた作(無銘)となっています。

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