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大野義光

小刀穂

於越後國義光作

商品番号 :D-013-O-205

現代 東京 無鑑査刀匠 白鞘(木鎺)

売約済

刃長:12.7 cm 反:僅かに内反 元幅:1.26 cm 先幅:0.92 cm 重ね:0.22 cm

体配
片切刄造、片丸棟、刃部の鑢目は切、中心は勝手下。
地肌
小板目肌を良く詰んで柾心に流れる。
刃文
匂出来、腰の開いた五の目乱。匂口は柔らかく、所々ほつれて肌目に沿った金筋・砂流風の所作が出る。
鋩子
直調に入り、小丸となってやや深く返る。鋩子の先から掃掛風に金筋が延びる。

小刀穂(小柄の穂)は江戸時代以前においては文房具の類。今だったらカッターといったところでしょうか。それでもちゃんと鍛えた刃物ですから、100円ショップのカッターと比べるのは失礼ですね。焼が入った刃物ですが武器ではありません。手裏剣みたいに投げたりするのは時代劇での話。殿様の屋敷でそんな事をしたら切腹ものです。と、話が逸れましたが、本作は大野刀匠の小刀穂です。刃文は緩い腰の開いた五の目乱。柔らかな匂口が所々ほつれ流れて、金筋・砂流風の所作が見所です。鋩子の先にも4・5本ほど細〜い金筋が刃先に向かって伸びています。どちらも柾心の肌目に沿った所作です。こうしてまじまじ見ると、まるで片切刄の短刀をミニチュアにしたかのような姿と働き。刀身だけを大きく画像で見せたら小刀穂だと気付かないもしれませんね。わずか4寸程の画格にもかかわらず、多様な見所が詰まっているものです。
ちなみに銘が刻られた表の鑢目、この面は錆びたからといって研いではいけません。現代の価値観での話ですが、この部分は刀の中心の部分に当たり、ここを研ぐ事は銘を研いで削っているのと同じ事になります。みなさん、お気をつけください。

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