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縁頭・拵

縁頭

葡萄波龍図(無銘・古金工)

商品番号 : FG-004

桃山期/江戸初期 保存刀装具 桐箱入

売約済

縁/赤銅波彫地 高彫 銀色絵  頭/赤銅磨地 高彫 金袋着

縁/縦:3.75 cm  横:2.30 cm  高さ:1.34 cm
頭/縦:3.46 cm  横:1.78 cm  高さ:1.10 cm
この縁頭、画題が全く異なる組合わせです。でもこれで良いのです。なにせ、縁は桃山期、頭は江戸初期の作と思われますから。この当時の縁頭は角製が当り前の時代、赤銅地で作る事自体、贅沢な高級品なわけです。なので、画題の取り合わせもバラバラ。同じモチーフが多用されるようになったのは主に江戸中期以降のことで、揃いのピカピカの縁頭よりも、古美術として風合いのある、なるべく古い縁頭を当店は高く評価します。
この縁と頭は製作年代に開きがあります。縁は桃山期の小柄を仕立て直したもの、頭は江戸初期の作と見ています。縁は波地に雨龍が彫られていますが、何故か体が半分だけ・・・波に潜った雨龍を縁に直す時に体が長過ぎて収まらず、頭を残すか尻尾を残すか、選んだ理由は判りませんが悩む金工の姿が浮かぶようです。なので、指裏の合わせ目がくっきりと判別できます。頭は葡萄と蔓の洒落たデザインで、指表側に金の房が見えるようレイアウトにも気を遣っています。そして真っ黒です。その対比で金の房は見事に冴えます。ただし、一見ウットリに見える装色ですが、これは袋着です。鑑定書にある鋤出彫は、この頭の彫のことだと思いますが、古金工と一色単に極めたのは、縁の造からではなくまさか頭の所作から?・・・明らかに違う工人が作った縁と頭の説明を、もう少し丁寧に表記してほしいものです。

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