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笄

団栗枝図(無銘)

商品番号 : KG-011

桃山期 桐箱入

180,000円

赤銅魚子地 高彫 金袋着

長さ:21.6 cm  幅:1.30 cm  高さ:0.60 cm
何とも繊細なフォルムをした団栗枝図の笄です。微細な魚子地が整然と刻まれ、紋の大きさ、配置、色使い、全体の構図が見事です。そして上品です。その品格は画題である団栗の彫のいたる所に表れています。葉の表情を豊かにするために縁の下部を抉り食い込むように彫ってあり、実のお椀形をした蔕もこんもりと強調しツブツブの感じを出した細かな所作に感心します。かなり写実的な彫が、団栗(たぶんミズナラ)という画題を高貴で真面目な一品へと押し上げているところが見所かもしれません。彫の巧妙さ、計算された紋の配置、そして誇張しない品ある姿からみて、古後藤ではないかと推測していますが、古金工と極められることが妥当かもしれませんね。
その理由として金の蕨手の所作があります。どう繕っても金色絵です。金象嵌ではありません。つまり、出来上がり時は蕨手が彫られていなかった、描かれてなかったということです。まあ、後藤だから蕨手が金象嵌なんて掟はないのですが・・・もっといえば、蕨手金の所作が後世の後象嵌による加工の多いことは厳然たる事実です。蕨手の問題は本作に限らず、その実態や評価を知りたいものです。みなさんはどう思われますか。

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