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所作に見る小道具

蜘蛛図(無銘・古金工)

商品番号 : KG-039-SS

江戸前期 特別保存刀装具 桐箱入

150,000円

赤銅七子地 高彫(鑞付据紋) 銀色絵 小縁蕨手金色絵

長さ:21.35 cm  幅:1.26 cm  高さ:0.42 cm
少しばかり珍しい笄をご紹介します。画題である蜘蛛のデザインが珍しいのではありません。体配・造のデザインが珍しいのです。見ての通り蕨手と小縁が繋がり、金の額を形作っているのです。これは後世の加工ではなく、最初からこうした造込をしているようです。蕨手は表面のツラより一段高く盛られそれが通常の平坦な小縁へと続き、木瓜の部分にきてまた一段高く彫られています。色絵は溝を彫って施す金象嵌ではなく、焼付か銀鑞による金色絵でぐるっと囲んでいます。蕨手と木瓜を一段高く彫るという所作は、当店では類例がありません。小柄・笄の部類ではかなり珍しいものと思われます。(どなたか同じような類の作をお持ちであれば、ぜひ拝見したいものです。)そして、珍しい所作がもう一つ・・・額より上の肩から首さらに耳掻に至る表面に七子が蒔かれているのです。時代が下がった小柄ではたまに見られる所作ですが、笄ではやはり初見です。これがあることによって、より豪華なというより特別感を印象付けしていることが伝わってくるようです。蕨手からぐるっと一周する額、そして額内と肩辺りから上部だけに巻かれた細かく整然と蒔かれた七子といい、特別にあしらわれた特注品だということがわかります。
肝心の画題は糸にぶら下がった蜘蛛が一匹、糸には銀が施されお洒落ですね。少し揺れ動く様を描いたのでしょうか、糸は僅かに右に触れ蜘蛛は反対側に向きを変えています。静寂なその情景を囲む額はまるで小窓のような効果を見せています。おや、そういえばこのレイアウトは縦の構図です。金色絵の額といい上部の七子といい、総体的にみれば本笄の時代は江戸前期が妥当でしょうか。鑑定書では古金工とされていますが、薄手の体配、長さ、肩の張り、そして画題と構図からは桃山期まで上げるのはどうかと思われます。金と銀の色絵がウットリか袋着であったなら納得もするのですが・・・時代は別にして、本笄は色んな所作が特注品であることを裏付けている珍しい逸品だということを判っていただけたら幸いです。

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