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小柄
波に二疋駿馬図(無銘)
商品番号 :KZ-006
江戸中期 桐箱入
50,000円
赤銅魚子地 高彫 金銀色絵 裏哺金
長さ:9.80 cm 幅:1.45 cm 高さ:0.69 cm
画題を宇治川先陣図と見る向きもありますが、波に二疋駿馬図としました。深い意味はありません。武将が描かれていないというより、荒波に遊ぶ駿馬の躍動感が際立っているからです。左の馬には馬具らしきものがあるので、先陣図が正しいのかもしれません。それはさておき、この小柄、笄直しあるいは小柄の小柄直しという見方が・・・推定する根拠を馬の向きなのか、地板を嵌め込んだ造込なのか。どれも決定打に欠けますが、かなりの重さがあるのです。確かに肉置を高くして彫った画題は馬も波も躍動感があります。時代は魚子の耗り、そして造込の所作から見て江戸初期頃としたいところですが、画題のデザインからみて江戸中期と思われます。地板にしてもかなりの黒さ。この時期の小柄にしては上手物の作と言えます。面白いのは、左の馬に象嵌の孔が一つ空いています。どうやら銀の露象嵌を馬の躯に配して紋様にするという手の込んだ所作を施しているようです。