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小柄

小柄

大黒天図(無銘・古金工)

商品番号 :KZ-008-SS

桃山期 保存刀装具 桐箱入

250,000円

赤銅魚子地 高彫 金袋着

長さ:9.81 cm  幅:1.43 cm  高さ:0.77 cm
古美濃という括りが何時から使われたのかは判りませんが、その特徴とされる鋤出彫を匂わせる高々と彫上げた景色が見事です。しかしこの小柄、古美濃ではなく古金工の極。まあ、流派やブランドは別にして、この彫の腕を賞賛したいものです。荷車の轅(ながえ/前方に長く出た2本の木の柄)が透に・・・その隙間に綱を通らせて立体的なイメージを作り出しています。この所作を表すために紋自体を高くしたのかもしれません。当店でもこのような所作は目にした事がなく、珍しい類いの一品です。袋着の金板も厚く、豊かな肉置、大黒天に宝車、何とも豪華というより贅沢な小柄に仕上がっていて、紋に込められた意味合いが十分表れています。それはさておきこの小柄、鑑定書には表記されていませんが笄直しです。紋の端際で魚子の粒や打方が変化し、紋自体が僅かに浮上がっています。やはり貴重というか良いものは残す、使う、伝えるという考え方がないと、この小柄も現在まで存在したかどうか・・・。本体は江戸期のものですが、これもまた上手です。紋を嵌込む形式の二枚合の構造ですが、裏板との繫目が拡大鏡では判別できないぐらい巧みです。昔の職人は凄い。

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