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小柄

小柄

松に椿図(無銘・古金工)

商品番号 :KZ-012

桃山期 保存刀装具 桐箱入

250,000円

赤銅魚子地 高彫 金袋着

長さ:9.68 cm  幅:1.36 cm  高さ:0.62 cm
桃山期の笄を小柄に直した笄直しです。額内に広く配された画題は松に椿。このデザインモチーフは室町後期から桃山にかけてよく使われた構図で豪華な印象を与えますが、よくみると一回り小さいようなので、本来なら室町後期と見たいところですが、色絵の所作がウットリではなく袋着という観点から桃山期としました。ただ、小さい紋を袖小柄にした事で紋が大きく見えて華やかな印象を与えています。この手のモチーフで描かれる松葉は、独特の丸い形で初めて見る方は松葉とは想像し難い表現ですが、この作を良く見たら面白い彫の所作を見つけました。真中の右寄りにある2つ並んだ松葉の上辺に、魚子地に少し浮かんで松葉が彫られています。高く彫られた松葉と対比させ立体感を出すために敢えて低く彫られたこの葉は、本来の松葉に近いような気がするのですが・・・よく考えれば、このように彫って並べてもこの紋のように高く盛り上がった造形は出来ないのは明らかです。やはりこの独特の松葉の形状は、職人が編出した一つの答なのだと感心させられます。

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