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小柄

小柄

二連牛車図(無銘・伝乗真)

商品番号 :KZ-020

室町後期 保存刀装具 桐箱入

売約済

赤銅魚子地 高彫 裏割継金

長さ:9.67 cm  幅:1.40 cm  高さ:0.78 cm
横から見ると、小高い台地が二つ繋がったような稜線に見え、重量級の肉置。そこから深々と牛車を彫上げて、立体感に満ちた紋に仕上げています。細部もまた丁寧で表情豊かな彫をみせ、黒々としたフォルムはまるでアート作品の銅像を寝かせたように迫力がある一品で、手に持つとその重みがずしっと伝わってきます。紋に釘付けにされて一瞬、据紋かなと思いきや、塊から削り出した地彫で端際は細かく丁寧な魚子地の処理を確認できます。そのまま左右になだらかに下って?・・・おや、この所作の形状は笄直し! 確かに紋の向きも右を向いていて、地板を嵌め込んだ跡も小縁に残されています。どおりで裏が割継になっている訳です。この時代、乗真の作で最初から裏割継金になっている例を知りません。後世の金工が割継を施したのでしょうが、本作の出来の良さを認めてか、それとも持主の依頼かは別にして、相応の手直しとして採用したのでしょう。当店としては、真っ黒でも良いと思いますが、花を添えた姿へとなったことは確かです。鑑定書の極は案の定、乗真。この彫だとやっぱり乗真ですよね。ただし、“伝”がついています。もし、本作に銘が彫られていたら極めて怪しい作となりますが・・・勝手な想像はよしましょう。

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