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小柄

小柄

枝栗図(無銘・古後藤)

商品番号 :KZ-028

桃山期 保存刀装具 桐箱入

400,000円

赤銅魚子地 高彫 金袋着

長さ:9.70 cm  幅:1.45 cm  高さ:0.84 cm
後藤家が栗を彫るとこうなるという見本の様な枝栗図の小柄。毬を独特の表現で表す所作が写実的表現の代わりを果たし、見る側に栗だと認識させる工夫が見所の一つです。一粒だけ見えている実がまた効果的です。そして金の薄板が剥がれた破れは、本作に雅味を添えて時代の良さを伝えているようです。どこにも破れのない無垢の本作であれば、それはそれで豪華で煌びやかでしょうが、この破れが風情ある景色を見せていてくれるのです。
肝心の造は、上質の黒々とした分厚い板からの高彫。山あり谷あり後藤家の掟そのままに立体感ある姿に仕上げているあたりはさすがです。時代は桃山期。この頃の上作は豪華な造が多いですね。本体はそれより時代が下って江戸初期以降・・・本作も例に漏れず笄直の所作が紋際の魚子の状態と、横から紋の地板を見た時の盛り上がりから確認できます。笄としての本作も優作だと想像出来ますが、小柄となったこの姿もまた優作、称えられる逸品だと思います。状態も見ての通り。雅味ある破れと戸尻の打疵以外は目立った疵はありません。どこかの博物館に入っていそうな作で、当店で紹介できることは光栄です。喩えが変かもしれませんが、「古美術品」という冠が似合う作だと思うのですが。

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