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小柄

小柄

釣り人図(無銘)

商品番号 : KZ-063

江戸中期 桐箱入

50,000円

赤銅七子地 高彫(鑞付据紋) 金銀色絵

長さ:9.77 cm  幅:1.43 cm  高さ:0.60 cm
かなり保存状態の良い小柄で、色絵の剥がれも僅か、逆に程よい七子の擦れで使用感もあり、時代の風合いも感じられます。確かに時代は古くはありません。画題の釣り人、金銀の色絵の所作、本体の造込、どれを取っても江戸中期以降を示しているのですが、見方によっては江戸前期もあり得ます。
造は二枚貼構造の地板嵌込でしっかりしています。紋はやはりというか鑞付据紋。赤銅の色合いは黒いといえば黒いし、そうでもないといえば真黒でもない(迷います)。ただ、眺めていると「オレは上手作だ」と小柄が訴えかけるのです。思い込みかと否定しながらも肝心の画題を見てるうちに、構図の上手さと彫口にみる表現力に巧さを感じます。釣り人という決して作位の高くはない画題なのですが、なんというか、家彫の品位を感じるのです。ほぼ中央に配されたバランスの良い紋に、効果を狙った色絵の配色、ワンシーンを切り取ったかのような構図といい、在銘でないこともあり、程乗前後の後藤家の作風に似ている気がします(このことが上記で江戸前期もあり得るといった理由です)。これ、審査に出したら面白いですよ。良ければ後藤本家の誰かに極められるかもしれません。あるいは単に後藤、一歩下がって脇後藤(加賀後藤はないと思います)、京金工はないとは言えませんが一応覚悟を。もちろん、古金工は除外です。仮になったら喜ぶべきか嘆くべきか・・・流派は別として、画題の表現に関しては評価すべき作と思います。
ところで、釣り人が釣っている場所は海だと思いますか? 波しぶきが立っているので海だと見てしまいますが、左側の岩に見える金と赤銅の塊、よくよく見ると大木の根っこにも思えます。岩だったら海、根っこだったら・・・川ということに。おまけに波の下側は流水にような・・・果たして釣りの舞台は海か川か、勝手に妄想してください。当店としては海を期待します。何故って、海だったら極が京金工に行きづらくなりますから(海がない京都というのは、根拠が弱い?)。

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