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小柄

小柄

犬括図(紋)乗真 光孝(花押)

商品番号 :KZ-069

室町後期 特別保存刀装具 『日本装劍金工史』(桑原羊次郎著)所載品 桐箱入

650,000円

赤銅七子地 高彫(鑞付据紋) 金袋着

長さ:9.64 cm  幅:1.40 cm  高さ:0.70 cm

竹に輪っかの付いた紐をくくりつけた犬括(いぬくくり)という道具を画題とした小柄です。平安期時代に宮中に放した犬を集めるための道具で、野良犬を狩るものではなく一種の行事に使用される道具だそうです。現代にしてみれば結構物騒な行事に思えるのですが、宮中での行事ですからそれなりに格位のある道具だったのでしょう。でなければ画題にはしませんよね。その犬括を腰高で陰影深く立体的に彫り上げた本作。画題の特徴をよく捉えて結構無骨な印象に作り込まれた彫口、金の袋着、そして笄直の造・・・彫の作域と極めて上手の造から乗真と極められるのは必然なのでしょうか。それにしても状態の良い小柄です。笄直の小柄ですから経年相応の擦れや疵があっても驚きませんが、真黒な上質の赤銅地に金の袋着も剥がれは少しだけ。豪華で古雅な風合いを今に残しています。ここまでの出来を後藤家上三代に行くなら、もう乗真しかいないでしょう。(まあ、あくまで現代での極に基づいてのことですが。)・・・その通り、裏面に「紋乗真 光孝(花押)」の刻銘が。(当店が在銘の作を紹介するのは稀です。実際、本作が初めて。本作は銘の真偽に関係なく、時代、作位、状態も含めて是認できる作品だと思います。)
しかし光孝(後藤家13代・延乗)は何を持って本作を乗真と極めたのでしょう。自分より約150年以上も前の先祖の作です。作っている場面を見たわけではありません。やはり後藤家彫亀鑑を参考にしたのでしょうか。いやいや、もちろんそうしたでしょうが極の目的はまた別のところに・・・(失礼、これ以上はご法度です)。その後藤家彫亀鑑は当時門外不出でしょうから、門人に関係なく見れる現代の私たちは恵まれています。情報公開が進んだ社会に感謝です。ちなみに、本作は後藤家彫亀鑑の内容を最初に解説・紹介した『日本装劍金工史』(桑原羊次郎著)の所載品です。

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