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小柄

小柄

松林図(無銘・光美)

商品番号 :KZ-070

江戸後期 保存刀装具 桐箱入

150,000円

赤銅七子地 高彫(鑞付据紋) 金色絵 裏哺金

長さ:9.70 cm  幅:1.48 cm  高さ:0.55 cm

なんともまあ大胆な構図です。画題となる松林は右端に追いやって、それ以外は何も無し。端正に蒔かれた七子地が俺が主役だと言わんばかりに広がります。もちろんメインの主役は金色絵が施された松林とは思いますが、見方によっては脇役かもしれません。つまり額内そのものが主役。侘び寂びを通り越した感さえある余白の構図を、どう評価するかはみなさんの感性にお任せします。その余白を埋める微細な七子地は均整かつ精美、でないと間が持ちません。素朴さとか味わいの入る余地はないのです。そして金色の松林も詳細かつリアリティのある彫口を見せています。さすがに江戸後期のデフォルメとなると、松の葉も丸ではなく現代に通じる絵画調の形状に。そんな松林ですが、右端に追いやられていたと思いきや、なんと表面から戸尻そして裏面にぐるっと続きで彫られています・・・戸尻も含めて表裏に絵柄を配するとは、まさに全体として「松林」です。この表現をお洒落とみるか粋とみるか、それとも斬新、上品、・・・失礼、これも受け手の問題ですね。
ある意味贅沢な構図といえる本小柄。造も贅沢なようで、表の松は普通の色絵なのに本体の哺金はかなり厚い金板を施してあり、松の彫跡にその厚みが見て取れます。総評すれば本作は上手の高級品のようです。極は後藤光美、後藤家15代・真乗。ただ、本作は無銘・・・何とも不思議なことに、これだけの贅沢品に銘が刻られていません。極めを無視する訳ではありませんが、ここは単に光美風の一品と捉えればよいのです。(当店は、江戸中以降の流派や個銘に丸っきし弱いのでご了承ください。)時代も江戸後期の作ですから、状態は極めて健全。裏面の戸尻側にちょっとした擦れが認められる程度です。時代が若く金ピカ・キレイキレイの作といっても約200年前の作、大切に伝えるべき古美術品です。

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