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目貫

目貫

二疋牛図(無銘)

商品番号 :MK-008

江戸初期 桐箱入

60,000円

赤銅地 容彫

表/長さ:3.93 cm  幅:1.62 cm  高さ:0.63 cm
裏/長さ:3.81 cm  幅:1.62 cm  高さ:0.64 cm
二疋牛をふっくらと容彫にしたこの作は、優しさや暖かみを感じさせるフォルムで、夫婦牛としたほうがより画題に合っている気がします。高低差をつけて躍動感を出すあたりは中々上手で、裏行には山を盛り上げるために深く圧出した跡がそれぞれの凹に認められます。地板はそれほど薄くはありませんので製作時代は桃山までは上げられず、おそらく江戸初期頃と推定されますが、黒々とした赤銅を使っているあたりは上手作の部類に入ると思います。
根は陰陽根の痕跡が見られます。しかし、これは後補の可能性が否定出来ません。足の色の違いというより表目貫の陽根が四角く見え、本来の丸型で対をなす陰陽根ではないような気がするのです。総体の印象は、色絵を施さず赤銅を容彫しただけの素朴さが、かえって落ち着いたフォーマルな印象を与え、ありふれた画題ながら飽きさせない実用的な目貫に仕上がっています。

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