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目貫

目貫

熨斗枇杷図(無銘・古金工)

商品番号 :MK-025

桃山期 保存刀装具 桐箱入

110,000円

赤銅地 容彫

表/長さ:3.84 cm  幅:1.61 cm  高さ:0.61 cm
裏/長さ:3.81 cm  幅:1.60 cm  高さ:0.62 cm
裏面(うらゆき)の圧出(へしだし)が上手な目貫です。肉置の厚さを調整するためなのか、凹凸に鏨のようなもので削り取ったか叩いたような角張った跡の所作が、特に両端に確認できます。全体の板厚も薄めで、なるべく材料を節約した努力が窺える目貫です。形もラグビーボールに近く、桃山期以前の古い目貫の特徴がよく表れています。根は陰陽根になっていますが、この根は後世の所作で製作当時のものではありません。力金も同様だと思われ、製作時は根が無かった可能性が高いと推測できます。
彫は意外に力強く大胆ですが、全体をアールで構成した画題が温和でやさしい印象を与えているようです。特に楕円形の膨らみが強調された実に、丸味を帯びた熨斗が合わさって、さも祝事や慶事といったテーマを見事に表現しているところも見所でしょうか。鑑定書の画題は枇杷熨斗となっていますが、この実は枇杷なのでしょうか。葉の形から枇杷とは思えないのです。でも、何の実なのかは判りません。熨斗を考えると・・・やっぱり枇杷? それじゃ、葉の形を金工が敢えてデフォルメした? いやはや、謎です。

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