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目貫

目貫

二疋獅子図(無銘・古金工)

商品番号 :MK-042

室町後期 保存刀装具 桐箱入

180,000円

赤銅地 容彫

表/長さ:3.70 cm  幅:1.71 cm  高さ:0.63 cm
裏/長さ:3.73 cm  幅:1.75 cm  高さ:0.62 cm
目貫の代表的な画題である二疋の獅子図ですが、上の仕様には書いていないことが一つあります。それは色絵の手法で、実は本作は金ウットリ色絵の所作がほどこされているのです。“袋着”ではなく“ウットリ”です。どこにも金色の個所がないじゃないかと思われますが、二疋の内の一体ずつに金板を裾際の溝にカシメた跡がはっきりと残されているのです。現在ではその筋跡に金片の残りが確認出来る程度にすぎませんが。これは大きなポイントで、ここまで明瞭にウットリ手法が判る例は少ないのです。これによって本作の時代は桃山期を下ることはないでしょう。他の所作、例えば裏行を見ると地金の板厚もかなりの薄手で均等、圧出も強くこの金工の腕の良さを如実に証明しています。この時代ですからもちろん足も無く、十分なククリをつけることで強度を持たせています。勝手な所見ですが、総体的に観察してこの目貫は室町後期、古さのイメージからみれば室町中期に届くのではないかと思われます。
鬣、口、目、足・・・あらゆる所をかなり細かくというより緻密で丁寧な彫の所作も見てとれる本作。地金の色合もそうですが州浜等の模様からも後藤系に極められそうですが、鑑定書では古金工の類い。まあ、それは良いとして、金板がある程度残されていたら、極も変っていた気がします。その金板ですが、まるで意図的に剥がした感じがします。カシメた個所もキレイになくなっており筋だけがその痕跡を残しているあたりは、剥がしやすい鑞付されていない技術のためか金板が容易に剥がされ他に転用された可能性が大きいと思われます。 本作に関しては中原信夫氏が本サイト「中原フォーラム・刀装具の研究」のカテゴリで「二匹獅子の目貫」として解説しており参考にしてください。

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