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揃金具

三所物

一路平安図(無銘・真乗)

商品番号 :SK-008

江戸後期 保存刀装具 桐箱入

350,000円

小柄・笄/赤銅七子地 高彫(鑞付据紋) 金・銀・素銅色絵 目貫/赤銅地 容彫 金・銀色絵

小柄/長さ:9.64 cm 幅:1.46 cm 高さ:0.57 cm
笄/長さ:21.3 cm 幅:1.24 cm 高さ:0.52 cm
目貫/[表]長さ:3.48 cm 幅:1.30 cm 高さ:0.40 cm [裏]長さ:3.62 cm 幅:1.35 cm 高さ:0.40 cm
乗真ではありません。真乗です。後藤家十五代・真乗(光美)の極がついた三所。なので時代は江戸後期、当店の中では(鐔を除いて)かなり新しい作です。当然ながら保存状態は多少の使用感はありますがとても良く、表に関しては紋の銀色絵が薄くなっているぐらい。裏は拵に装着して擦れた痕跡がみられますが、実装された証のようなもので却って時代の証明になるかと・・・(健全度の判定はみなさんにお任せします)。
画題は一路平安。日本人は韻を踏んだデザインを好む傾向にありますが、それは時代など関係ないことを本作が示しているようです。画題の構図もまた同じで、陰陽、侘寂、強弱など、本作も計算尽くのレイアウトがなされています。
小柄に配されたレイアウトは、中心より左側に鷺が船の舳先に一本足で佇んでいます。船の後尾は大きくせり上がり、鷺とのバランスを見事に取っています。鷺の見つめる先には波際と貝・・・これからの未来(旅)が平穏で幸あることを暗示しているのでしょう。笄の鷺はほぼ中央、船の占める面積と位置に対し、上部に重さを置いた波間と貝が絶妙な形状で対比しています。目貫は背景がないため鷺を中央に置いた普遍的な構図ですが、表裏目貫を表すために裏目貫の鷺は頭を後向きにした気の利いたデザイン。やりますねー!(ちょっと不思議なのは、表目貫の方が裏目貫よりも若干小さく作っていることで、普通は逆なのですが何故なのでしょう?)
ここで彫の見所を一つ。それは波の彫口で、小さい領域ながら実に丁寧で緻密、そして立体感も半端ありません。付随する貝も鷺に対するサイズ感をちゃんと計算しているようです。もちろん、七子地の微細で整然とした見事な所作も、繊細な紋を効果的に演出する役目を果たしています。・・・流石に江戸後期の上手作となると、彫の巧さにはお手上げです(少し持ち上げ過ぎでしょうか)。静かなる情景を狙い通りに作り上げています。・・・何か忘れてないかと・・・おっと、目貫の裏行のことでしょうか?・・・突っ込まないでください。仮にも時代は江戸後期の作、分厚い地板になるのは避けられません。いくら後藤家十五代の作だからといっても圧出の妙を楽しめるほどの造を期待してはいけません。その代わり、地金はどれもが真黒いことで相殺です。

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