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鐔

富士越龍図 明珎宗周

商品番号 :TB-036

江戸後期・幕末 保存刀装具 桐箱入

90,000円

木瓜形 鉄槌目地 鋤出彫 甲鋤毛彫 小透 打返耳 両櫃穴(片埋)

縦:6.99 cm 横:6.59 cm 切羽台厚さ:約0.23 cm 耳際厚さ:約0.32 cm
さすがに富士山を画題とした作となれば元禄頃以降にならないと見受けられず、本鐔も幕末の作です。富士山の山頂部を小透にして雪冠を表現し、裾野は甲鋤彫、漂う霞雲と手前の荒波は鋤出彫をもって表側の風景を演出しているようです。裏面には富士山を背景に甲鋤彫の龍(螭龍でしょうか・・・明珍派はこの手のデフォルメした龍が得意のか?)が遊弋している構図で、静岡から見た風景を表とし山梨側の風景を裏とした立体的視点を取り入れたユニークな発想のデザインと言えます。
画題とは裏腹に本鐔の最大の特徴は造り込み、特のその薄さにあります。切羽台付近の厚みは約2ミリ強。耳際も3ミリ強しかなく打返耳の所作を差し引けば、ほぼ全体的に2ミリ強の厚さしかありません。長さも7センチ弱で小振り。なので軽いです。これで実用なのかと中心櫃を見れば、ちゃんと口紅(責)が付いています。中心櫃が思ったより大きいので断言はできませんが、中身はおそらく脇指だろうと思われます。この重さなら腰に指しても随分負担が減ったでしょうね。鍛えは槌目地、整えた打跡が所々に見られしっかり作っているなと好感が持て、耳には鉄骨らしき形状も出ています。
本鐔の作者は明珎宗周(むねちか)。幕府御用達の具足師の家系で幕末から明治前半にかけて作鐔し、船田一琴や園部英忠との合作もあるようです。船田一琴ですか・・・随分と高名な金工とコラボするとはやるもんですね。となると本鐔の甲鋤彫は船田一琴から学んだのでしょうか・・・だって甲鋤彫は船田一琴の十八番で後藤一乗の門人ですから、甲鋤彫で後藤家とも繋がります・・・う〜ん、世の中狭い。

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