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鐔

双龍唐草透図(無銘・南蛮)

商品番号 :TB-040

江戸後期 保存刀装具 桐箱入

50,000円

撫角形 鉄地 肉彫地透 金布目象嵌 肉彫丸耳 両櫃穴

縦:8.48 cm 横:8.44 cm 切羽台厚さ:約0.41 cm 耳際厚さ:約0.41 cm
龍と唐草をあしらった本鐔。南蛮鐔の定番の画題です。当然、鋳物です。南蛮鐔とされるもので鍛えた地鉄から作られた本作のようなデザインの透鐔は未だ見たことがありません。もしそのような鐔があるのなら、透を彫る技は相当なもので費やす時間と根気は考えただけでも敬服します・・・そしてべらぼうにお高いのでしょうね。言うまでもなく本鐔は数物です。それなりに粗い彫の所作で見た目にも雑な印象を受け、決して褒められたものではありません。まあ、こういった造が南蛮鐔の特徴だからと言われれば、返す言葉はありませんが。
造や彫はさておき、画題のデザインからもツッコミどころが満載で、却ってこの点を見所として面白がっていただければ幸いです。その主役はもちろん、二匹の龍です。まずは表面右側の昇り竜(この龍は螭龍でしょうか?)・・・おや、手脚が3つ? 裏側にある翼のようなものも手脚とみれば4つだけど、爪が彫られているものは3つだけしかありません。もし翼だとしたら日本の龍ではなく西洋のドラゴン?(少し頭が混乱!) 顔に目をやれば上顎の異常に長いこと。牙を強調したかったのでしょうか、実にユニークです。脚も上顎も唐草に紛れてフォルムのいい加減さを感じません。まるで騙し絵のようです。反対側の降り龍もまたツッコミどころが・・・こっちの龍の手脚には爪がなく、唐草と同化しているようです(もう脚の数は特定できないので無視します)。爪がない?ふむふむ、なるほど、こっちは雌という設定ですね。牙を見せ爪がある昇り竜は雄ということで決まりです。フォルムはさておき、画題の構図と構成はちゃんと設定されているようです。おやおや〜、雌の尻尾の先が矢じり形をしている? これはまさしく西洋のドラゴンでは?・・・本鐔は本当に幕末期の作なのでしょうか。まあ、南蛮鐔ですからね、異国のデザイン概念が反映されていても不思議ではないと思いたいです。いや、きっとそうなんです。あまりツッコミ過ぎると何も肯定できなくなる鐔の世界です。この龍に非はありません。この辺でこの龍たちを解放してあげましましょう。

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