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鐔

岩窟猛虎図 於袖止ヶ浦辺 一則鐫(花押) 黒岩氏ノ応需

商品番号 :TB-042

明治期 特別保存刀装具 桐箱入

180,000円

木瓜形 鉄磨地 鋤出高彫 象嵌 打返耳

縦:7.50 cm 横:6.82 cm 切羽台厚さ:約0.23 cm 耳際厚さ:約0.27 cm
良い鉄(錆)色です。綺麗な磨地はまるでチョコレートの風合い。銀座あたりの高級洋菓子店に飾られていても騙されます。地板は薄く耳側で3ミリ弱、切羽台辺りでは僅か2ミリ強。繊細で上品な地板に逞しい猛虎を立体的に彫り上げています。猛虎はそのまま裏面に続き背中を彫り上げ、岩窟というロケージョンも組み合わせた見事な3D描写です。細かな描写も見所で、リアリティな咆哮する顔に加え、斜めに吹きつける風雨が全体の構図を演出しています。表裏の笹の葉は風の向きに沿ってなびく様は、作者の緻密な描写と観察力を見せつけているかのようで、もはや絵画の領域です。
彫は鋤出高彫に毛彫、彩色は象嵌ではなく焼付の色絵のようで、岩肌に付いているツブツブの小石は銀色絵が施されています。ちなみに塞がれた小柄と笄の櫃孔ですが、実際には孔が空けられてないと思われます。孔の縁をよく見ると、鑚痕が見え単なる溝のようです。ということは、最初から櫃孔を描いた見映えを意識したデザイン?・・・改めて全体の構図をみると、この金であしらわれた「なんちゃって櫃孔」はバランスも含めデザイン構図にそれなりの役割を果たしている気がします。ちなみに銀の責金、こだわってます。縁の周りの整えられた鑚溝をみると、これも生の所作に思えます。総評として、職人気質に満ちた鐔という逸品です。
作者は二代・府川一則。初代は彫金師になる前は葛飾北斎に入門し絵師を目指したとあり、その長男ということであれば、本鐔におけるデザイン構成の上手さに納得がいきます。銘にある袖止ヶ浦とはいったいどこら辺りなのでしょうか。深川に生まれ都内の各所に住んだようですが、岩窟のありそうな東京の浦って? 現在の袖ヶ浦? 袖止は着物の用語ですし・・・どなたか地理に詳しい方教えてください。単純に注文主の黒岩氏が住んでいた辺り?(結局不詳ですが・・・)

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