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INTELLIGENCE

♯ 名儀人

Copywritting by Nobuo Nakahara

 

今回の特別重要刀剣は71振の指定であったが、一般愛好家の評価は様々である。

勿論、指定本数の多い少ないで、その内容を語ることは出来ないが、私が経眼している作も何振か含まれていたようである。

 

今年五月下旬、某地の刀剣会に出席した席上で、参会者である知人から「中原先生、今回、私の刀が特重になりました。」との報告を受けたので、「それは御目出度うございます良かったではないですか・・・」と答えたら、その方は「でも先生は否定された刀ですが・・・」と笑いながらの穏やかなやり取りとなった。

その後、帰京したが、ついにその特重の展示会は見ずじまいであった。

それから一ヶ月程した今日であるが、面白い噂を耳にした。当然、風評に近いものであるから、確証がある訳でも信頼性がある訳でもないが、その噂とは・・・。

 

実は今回の特重の指定品の所有者であるが、(公財)日本美術刀剣保存協会(日刀保)の役員の所有物件であるのがあるという内容である。

こうした点については、数年前に厳しく規制したはずであるが、もしも、この噂がある程度以上、事実だとしたら元の黙阿弥であろう。

以前から某方面からの申入もあり、保存、特別保存、重要、特別重要に名儀人を発表しない、そして証書、指定書にも名儀人を書入れない様にしたことは衆知の事。

 

私はこうした日刀保の処置に反対を唱えたが、“個人情報”ということで現在も変更するつもりもないようである。

もし、万が一、この噂が本当なら、逆にやりたい放題となり、日刀保の唱えた前提も空念仏で大ザル法と同様になる。

では、重刀、特重だけでも名儀人を公開(居住地は入れない)したらどうかという案が出てくるが、これも屁の役にも立たないだろう。

ならばいっその事、協会関係者であろうが、誰であろうが、別に詮義はしないとした方が良い。仮名でも可。以前ありましたよね。青山順○とか、山本栄○とか業者の変名が・・・。

要は、刀の品質の良否のみである。
(文責 中原信夫)

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