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INTELLIGENCE

♯ 専用の原稿用紙

Copywritting by Nobuo Nakahara

現代の人達には、原稿用紙といってもあまり興味をひくものではないかもしれない。私なども原稿を書く時、今書いている原稿も原稿用紙を使っているが、この原稿用紙は便利なもので、字数がすぐにわかり、本を作る時なども活字の大きさと、1頁の構成を2段組にするか、3段組にするとかで、大体の頁数が算出できるのである。

 

さて、私が独立した直後に神楽坂の文房具店『相馬屋』の番頭さんから、大量の原稿用紙を安価に譲って頂いたことがある。『相馬屋』さんは、日本で初めて原稿用紙を作った店で有名であると、その時に聞かされたが、譲って頂いた原稿用紙の印刷に間違があり、注文主に納められないということであった。昔の人は、特に文章を書いて生計を立てている人達は、自分専用の原稿用紙を作っていたとされている。

 

私の師・村上先生も昔は自分専用の原稿用紙を作っておられたらしく、その残った何枚かが手許にある。これは緑色のインクで9ミリ角の升目のもので200字詰めを左右2面にわたり印刷、その中央に“剣掃用紙”とあり、左右の升目の周囲を巡るように、日本の元号の「大化」から「昭和」までを小さい活字で印刷してある。

また、各々の元号が何年続いたかまで漢数字で示してある。こんなお金のかかる専用の原稿用紙を使っておられたとは本当に羨ましい。私などは100円ショップで・・・まぁ、原稿が書ければそれでいいのだから、ならば安い方が良いとしか私は考えないようにしているが。
(文責・中原信夫) 

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