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脇指

脇指

(菊紋)雷除 伊賀守藤原金道 日本鍛冶宗匠

商品番号 : C-074-295

江戸中期 山城 保存刀剣 白鞘・拵付

売約済

刃長:49.7 cm 反:0.80 cm 重ね:0.45 cm 元幅:2.31 cm 先幅:1.65 cm 重さ:196 g 目釘孔:2つ

体配
本造、庵棟、生中心、鑢目は切。
地肌
やや肌立ち心の板目肌が流れて、総体に柾目の肌合いになり地景が現れる。刃寄りと鎬地も柾目になる。
刃文
焼幅やや広く、匂出来の大弯乱。匂口は締り心にふっくらとし、二重刃、喰違刃と砂流風の所作が現れる。
鋩子
直調に入り僅かに返って一枚風となる。返りは浅目で寄る。
(菊紋)雷除 伊賀守藤原金道 日本鍛冶宗匠

脇指に類して良いのかわかりませんが、本作はいわゆる稚児刀です。細身で重も薄く、刀身自体の重さも200gをきるぐらい軽く華奢な姿をしています。しかし子供の指料だからといって、鍛や焼きがおろそかではありません。普通の刀と同じく、いえ、それ以上に力を入れて作刀しているといえます。そりゃそうでしょう。何たって稚児刀は身分の高い裕福な武家でなければ注文できません。それなりの武家から来た注文を、子供用だからと言っておざなりにはできないでしょう。もしそんな作を納めたら刀工自身の名声と評判に傷がつくというものです。
狭い身幅に焼かれた刃文は大弯。やや締り心の匂口は刃先側が解れ気味になり僅かに小足も覗いています。そして所々、二重刃と喰違刃になって変化のある光景が見所となっています。この縦の所作は地肌の鍛と連動していて、当然、この刃文になるように肌を鍛えているはずです。地肌は板目が流れてほとんど柾目と言ってよいでしょう。整った総柾目ではなく、やや流れ心の肌に沿うように弯が描かれ、その所作が二重刃と喰違刃、そして砂流を誘発したかのようです。肌自体はやや肌立ち、肌目に沿って地景も現れています。

これらの焼きは、作者である金道一派の特徴だとは言い切れませんが、少なくとも柾心に流れる様は、特に鎬地の激しい柾目は金道らしい所作です。本作は菊紋と雷除を刻っていることから、五代・金道の作と思われますが、小さな中心にきっちりと菊紋と雷除、銘が刻られています。裏には日本鍛冶宗匠の添銘もちゃんと刻っています。欲を言えば、年紀も刻って欲しかったなと・・・それにしても京にいて鍛冶宗匠たる金道に注文したのですから、その武家も相当身分の高いことは想像でします。そして稚児刀自体が稀なのは確かですが、金道も作っていたとは・・・珍しい一振かもしれません。
付いている拵もちょっと拘っています。半太刀拵で、縁頭も含めて四分一磨地の総金具は一作ものです。鞘は黒漆に青貝微塵散で斜目に筋目をつけています。目貫は地金はわかりませんが総金色絵、画題は獅子に倶利伽羅(独鈷かもしれません)。そして鐔は、赤銅七子地に金色絵を施した茶道具の図。・・・稚児刀とはいえ、なかなか風情のある拵で、柄前が徐々に細くなった柄形のため、総体にシャープで古風な太刀姿に見えます。いいですね〜この拵、本作に似合っています。あ、当たり前ですね、本拵、後家鞘ではありませんから・・・

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