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小柄

小柄

牡丹図(無銘・古金工)

商品番号 :KZ-013-SS

室町後期 保存刀装具 桐箱入

売約済

赤銅魚子地 共金据紋 金袋着(ウットリ色絵) 銀露象嵌

長さ:9.65 cm  幅:1.45 cm  高さ:0.86 cm
ズッシリとした重量感、高々と盛上がり額からはみ出しそうに牡丹を据紋にした笄直し小柄。どこから眺めても迫力があります。小柄に直す前は、かなり幅広の笄だった事が窺われます。その紋だけを外して今の小柄の地板に据えたのは、両端が浮いていることで判ります。そしてもう一つ、その据え方です。この時代の据紋は裏面からリベットで括るのですが、本作はなんと紋に孔を空け上からリベットで括っています。当店ではこのような所作の小道具を何点か紹介していますが、どれもが時代が下った江戸期の作。しかしこの紋は室町後期、下っても桃山期です。ということは、江戸期に入ってからの加工という事になりますが、おそらく裏から括られていた紋を今度は表から孔を空けたと考えるのが自然です。それとも、笄から紋だけを切り抜いたかのどちらかです。確かに目立たないとはいえ、大胆不敵な所作に感服です。やはり小柄は穂が入る空間があるため、括り方が難しいのでしょうか。しかし、その跡処理は見事です。金のウットリ部分を避けて目立たないところで留めています。この豪快で混入った彫の紋も目立つのを紛らわしています。古いものを残そうとする金工の努力に頭が下がります。

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