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目貫

目貫

南天図(無銘)

商品番号 :MK-190

桃山期 桐箱入

110,000円

赤銅地 容彫 金袋着色絵

表/長さ:4.30 cm  幅:1.62 cm  高さ:0.62 cm  重さ:5.92 g
裏/長さ:4.29 cm  幅:1.55 cm  高さ:0.64 cm  重さ:6.37 g

ギザギザに尖った外形ながらもきちんとラグビーボール状に整えられたフルム。実用に即した目貫の形状にちゃんと収めるのですから見事なものです。この南天図のデザイン、美しいです。ちょっと派手な感はありますが、たわわに実った南天の実が華々しくゴージャスです。よく似た構図に葡萄図がありますが、葡萄の葉とは違って南天は枝葉が細かいせいもあり密で複雑な印象がします。抜孔を多く作り出せることもでき、現にこの目貫にはかなりの抜孔が施されています。このまま女性の身につけるブローチとしても何の違和感もなく飾れそうで、洗練されたイメージを受けます。よく目貫は帯留や前金具に流用されますが、どうです、パートナーへのプレゼントにすれば喜ばれる・・・かもしれません。だからといって、裏を加工してしまうのは古い刀装具を扱う当店として悩ましく思います・・・ただ、否定はしませんが。
本目貫の作域は、細かく丁寧な彫口から見ても上作で、特に葉と実の重なり具合と色絵を施した配置が絶妙です。その色絵は金の袋着で、実以外にも枝の切口部分にも施してあるようです。総体に色絵の状態は時代の経年を考えれば健全です。地金の色も漆黒に近く、金色の実が鮮やかに映えます。裏行をみても、地金の厚みは底面が僅かに削られているせいもあって、それほど薄くは見えませんが時代相応の薄さをしており、圧出も申し分ありません。ただ、陰陽根の足(陽)は四角形ですから形式的なものとみたほうが無難ですが、支金はなく色合いからしても制作した当時の所作と思われます。制作時代は桃山期と推測していますが、江戸最初期まで下がるかもしれません。袋着から鑞付やアマルガムなどの色絵に移行する期間である桃山期から江戸最初期あたりの作は、年紀のない刀と同じく同定するのが難しいのです。桃山期なのか江戸初期なのかは皆さんのご判断にお任せして逃げるとしましょう。てなわけで、作域も古後藤なのか後藤なのか、それとも古金工なのか・・・まさか京金工や加賀後藤はないと思います。なにせ袋着色絵という動かぬ所作がありますから・・・。

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