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鐔

大小鐔

柏樹猛禽群雀図 長陽國高作

商品番号 :TB-001

幕末期 保存刀装具 「金工銘鑑/益本千一郎・小窪健一著」所載品(109下段) 桐箱入

800,000円

撫角形 鉄石目地 鋤出高彫 角耳小肉 (大)無櫃孔 (小)片櫃孔

大/縦:7.80 cm 横:7.13 cm 耳際厚さ:0.38 cm
小/縦:7.33 cm 横:6.65 cm 耳際厚さ:0.32 cm
長門国萩住の金工・国高(井上家、名は弥十郎)による長州鐔大小です。画題を大小続きに配置したデザインにし、主役となる隼が梢から雀を虎視眈々に狙っている様子を、巧みな高彫で表しています。特に隼と雀の羽の質感は見事で、立木と葉の静に対し、息衝く動の鳥が見所かもしれません。地は微細な鑢目を施した石目地で、色絵を使わず華やかさをを隠し、反射光を押さえたマットな肌が作品の品格を高めています。そして何より本作は一度も刀に装着されたことのない生鐔です。極めて貴重な代物です。実はこの鐔、箱書にある通り、長州毛利家から薩摩島津家に贈られた進物。生である事が頷けます。さらに大名家間の進物ですから相応の逸品といってよいでしょう。時代からすると薩長連合に所縁がありそうな一品かもしれません。島津家の蔵品となっていた当鐔は、昭和3年に行われた島津家大売立の際入札されたもので、目録にある「鐔〆て○枚」の内の一品と思われます。まさに、時代の趨勢と動向を感じる作といえるでしょう。因みに、金工銘鑑に載っている銘見本は本作のものです。また金工辞典では鋤出式高彫で動植物を彫る巧手と紹介されています。

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