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鐔

車透図(無銘・太刀金具師)

商品番号 :TB-018

江戸前期 特別貴重小道具 桐箱入

40,000円

竪丸形 山銅地透 角耳小肉

縦:6.00 cm 横:4.42 cm 耳際厚さ:0.40 cm
太刀金具師・・・この名称は魔法です。強い暗示にかかります。さも古そうに見えてきます。古刀匠や古金工も含めて、こういう呼び方なり分類を何を根拠にするのでしょう。おまけに全てと言って良いくらい無銘です。小道具に銘を刻らない時代のことですから、当然と言えば当然です。いかしかたありません。鑑定書に書かれている分類は、そういう雰囲気の作域だと思うしかないのです。それじゃ本作は室町期もある古い作なのでしょうか・・・ハッキリ言って判りません。余りにも自信がないので、勝手ながら時代を江戸前記とさせていただきました。では、ここで言えることはかなり抽象的だということを前提にご説明します。
造はいたって素朴、画題は車透となっていますが、スポーク(輻・や)は左右の横4本が放射状になっておらず、そもそも外形が丸形とはいえ卵形に近い姿で、本当に車を表現しているのか疑問です。この手のデザインは車ありきの命名に思え残念です。・・・あ、画題も、そういうイメージですよ!と思えばいいのか。了解・・・この放射状になっていない4本は、透の形状とスペースからいっておそらく小柄と笄用の櫃孔でしょう。最初から小柄・笄を入れる前提で作られた鐔といえます。この所作があることで古さに疑問が出てきますが、大きさから脇指・短刀用とみれば古い作としてあり得ます。他に特徴は? 造が無造作だということぐらいでしょうか。それぞれの輻は太さも位置もランダムで、金具製作のついでに鐔も用意しましたというレベルの作域です。まあ、そこに味があり、渋さと素朴さがあるのでしょう。ただ、素材の山銅は確かに古そうです。これはもう鐔選びの原点に戻って、見た目や趣向、まさにイメージで楽しんでいただければさいわいです。あまり拘らず詮索しないで眺めれば、面白い鐔には違いないのですが・・・それでも時代が気になります・・・・。

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