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小柄

小柄

懸守図(無銘・古後藤)

商品番号 :KZ-048

江戸初期 保存刀装具 桐箱入

210,000円

赤銅七子地 高彫(鑞付据紋) 金袋着銀色絵 両袖裏哺金

長さ:9.78 cm  幅:1.41 cm  高さ:0.67 cm
ゴージャスな袖小柄の登場です。袖も裏も本体をぐるっと哺金で覆っています。それもかなり厚めの金板です。面白いのは両袖の表側。その箇所だけ切り取った金板を被せてある所作が確認出来ます。これは地板を嵌め込む際に敢えて試みた所作かもしれません。実は本小柄、笄直の小柄なのです。笄の裏(底面)を削り込んで小柄の地板として作り、それを嵌め込んだわけです。つまり地板を据え易くするため袖部の作り込みに一工夫したと思われます。ということで、本小柄は見た目より重く、結構ズッシリと感じられます。もちろん、厚めの金板で覆っているのですから、その重みもありますが。作りは豪華ですが、画題の紋は華やかな類ではなく高貴な懸守(かけまもり)の図。護符などを入れる筒ですが、豪華な本体に高貴な意匠、贅沢な一品と言えます。
この紋は地彫ではなく鑞付据紋で、ちょっと見は袋着のように感じられますが、厚手の金板を焼付した象嵌かもしれません。または単なる銀鑞などによる色絵の可能性も否定できません。それと右側の紐のような箇所は銀色絵。これは擦れから判別できます。鑑定書では古後藤となっていますが、色絵に関しては極に対してちょっとそぐわない所作に思えるのですが・・・。その銀色絵の箇所ですが、よくみると波と川の流れのようです。懸守に流水と波・・・有りといえば有りそうな組み合わせですが、何となく違和感が。願いが流されてしまう? 少し哀愁漂うイメージにしたかったのでしょうか? それとも儚く優雅な情景を表現したかったのでしょうか。上流とは掛け離れた当店が紹介するには、手に余る作品のようです。
時代はおそらく江戸最初期。桃山期としたいところですが色絵の所作と流水のデザインが気になり思いとどまりました。本体部は江戸中期以降の作と思われます。小うるさい当店の細かい観察は別として、単にゴージャスな小柄・・・それで良いのかもしれませんね。

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