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小柄

小柄

竹筒図(無銘)

商品番号 :KZ-091

江戸初期 桐箱入

70,000円

赤銅七子地 高彫(鑞付据紋) 金色絵 表裏哺金

長さ:9.74 cm  幅:1.47 cm  高さ:0.52 cm  紋部高さ(最大):0.61 cm  重さ:35 g

ずっしりと重くしっかりとした本体。その本体をぐるっと小縁まで哺金を施しています。かなり厚手の金板、目立った剥がれもなく状態も良好です。反面、紋が据えられた地板はというと、あらら、ツルツル状態。七子粒が磨耗して紋の際と外周の小縁側に認められる程度、まるでテカテカの磨地と見紛えてしまいそうです。健全な本体と擦れた七子地・・・相容れない状態をどう考えたら良いのか・・・笄直? 笄直であれば説明はつきます。しかし、紋の向きは小柄ですよね? 笄直にみられるような、横から見た紋を高点とするなだらかな起伏(両裾広がり)もなく、いたって平坦です。考えられる可能性は一つ・・・小柄の小柄直・・・おそらく、古い小柄の地板を外して新しい本体に据え直した作だと思われます。
造は二枚貼合構造に地板嵌込方式、紋は高彫ですが裏からの打出しによる所作なのか鑞付据紋なのかは不明です。真黒な赤銅地に焼付による金色絵・・・この竹筒を画題とした紋、中々のデフォルメでかなり細かな所まで再現しています。筒は竹筒とわかるように節を二個所に彫り上げています。で、わからないのは蓋のように見える2本の縦の線が入っていることです。竹の筋なら1本で良いはずですが、2本だと脱着できる蓋を描いたもの? おまけに竹の水筒ならば、竹の節が上と真中下辺りにあるのに何故か下側には節がなく途中で切断された形状なのです。・・・水筒ではなく何か別の用途に使う道具なのでしょうか?・・・これが何なのか全くわかりません。どなたかご存知の方、ご教示ください。
製作年代は、紋を含めた地板が江戸初期、本体は江戸中期以降の作と推測されます。極は審査に出せば、紋を見る限り古後藤に極められても不思議ではありませんが、古金工とされるかもしれません。まさか京金工や加賀後藤にされることはないと思いますが、脇後藤に入札なんてこともあり得ます。・・・そうだ、刀の入札鑑定ではないですが、小道具の入札鑑定なんてのも面白いかも・・・そのうち、当店で企画してみようかなと安易に妄想しています。

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