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目貫

目貫

枝栗栗鼠図(無銘・古金工)

商品番号 :MK-041

桃山期 保存刀装具 桐箱入

180,000円

赤銅地 容彫 金袋着

表/長さ:4.84 cm  幅:1.55 cm  高さ:0.67 cm
裏/長さ:4.64 cm  幅:1.57 cm  高さ:0.67 cm
栗鼠をモチーフにした刀装具は古くからよく見かけますが、栗と組み合わせたものは意外に少なく、葡萄との組合わせが一番多くみられるようです。その主役である栗鼠ですが、尻尾に注目してください。尾が2本あります。2本あるというより2つに別れているのだと思いますが。いろいろ調べてみると刀装具に描かれる殆んどの栗鼠は複数の尻尾が描かれているようです。まさか架空の動物として扱われたわけではないでしょう。これには理由があるはずだと、本作を手にとって眺めていたらある事に気付きました。「待てよ、栗鼠の前に“栗”の描き方はどうなんだ。この栗だって初めて見る人には栗には見えないじゃないか。栗の刺を表現するための大胆なデフォルメでこの絵になっている。じゃ〜この尻尾は!」・・・気付きましたか? 実際の日本栗鼠の尻尾はボサボサなのです。栗の刺と同じように、このボサボサの毛をデフォルメして表現したのが複数に別れた尻尾なのだと。当店の解釈は的を得ていると思います、たぶん。得意げに語りましたが、知っている人は随分といるはずで、当方の無知ぶりを鼻で笑ってください。
このデフォルメによる表現は、栗鼠や栗に限らず松葉や藻など様々なケースで見られ、古い小道具ほどそれらが登場します。本目貫もその例に漏れず時代は桃山期。少し大振りのサイズで、薄目の地板にこんもりとした容彫、金袋着、古い時代を地で行く作です。裏行の足も作られた当時のもののようで、支金がなく色合は裏地に色と同一で同じ材料が使われているように思えます。裾縁を削った痕もなく、まさに無垢状態、後世に鑢で削られなかったことに感謝です。全体に少し白っぽくみえるのは埃で、壊れた柄から外したばかりなのでご容赦ください。

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