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目貫
枝桃図(無銘・古後藤)
商品番号 :MK-044
室町後期 保存刀装具 桐箱入
180,000円
赤銅地 容彫 金ウットリ色絵 金露象嵌
表/長さ:3.98 cm 幅:1.69 cm 高さ:0.59 cm
裏/長さ:4.00 cm 幅:1.60 cm 高さ:0.65 cm
古い目貫ですと言わんばかりの強く打出した裏行。地板の厚みも薄く、金工の地板を叩く背中が浮ぶようです。やっぱり、裏行には時代が現われるものですね。表の顔に劣らず、裏行には本質を探る面白さが詰まっています。ただ、根は後世の所作かもしれません。色合が本体と異なる気がします。
表を見れば、色絵は金のウットリ。金板が施された下部に溝のような線が確認できます。袋着ではなくウットリ象嵌でしょう。そのウットリですが、元々は表裏目貫両方の桃の実にも施されていたようですが、現在はきれいに剥がれています。これはこれで最初からこの状態だと思える程で、気になりません。(当店がそう思っているだけで、みなさんの捉え方には干渉しません)そして金の露象嵌があしらわれ、当時としてはかなり上等な作だったことでしょう。鑑定書には単に金色絵としかありませんが、せめて金色絵と金袋着(現在は袋着もウットリも同じ扱いのようです)の違いぐらいは鑑定してほしいと思うのですが・・・(いや、確かにどちらも金色絵の類いにはちがいありませんし、解っているのかな?と文句を言っているのでもありません。)
そういうわけで、本作はそれなりに古い作です。桃山期、いえ、室町後期はあると思われます。深く力強い彫口からは乗真? 冗談です。なにせ古後藤となっているので、その時代に合う金工を勝手に想像してみたまで。お許しください。そういえば画題の桃ですが、意外に少ないのはご存知でしょうか。本作は桃の実がハッキリと中心に据えられ、桃の花が彩りを添えて、フォルムとしては初見のものです。そんな意味で稀少かもしれません。(・・・これも当店の見解で、ホントはありふれたデザインなのかも・・・)