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目貫

目貫

藻貝図(無銘・古金工)

商品番号 :MK-048-SS

桃山期 保存刀装具 桐箱入

150,000円

赤銅地 容彫 金袋着

表/長さ:4.16 cm  幅:1.41 cm  高さ:0.53cm
裏/長さ:4.23 cm  幅:1.37 cm  高さ:0.55 cm
本作、意味不明の所作がある目貫です。裏行にご注目、表目貫に9個、裏目貫に10個、合計19個もの金属片(約2〜3ミリ四方)がくっついています。陰陽根の周りにある各3〜4個の金属片は、たぶん支金だろうなと納得はいくのですが、他のは四方八方に散らばっているのです。素材はどうやら根と同じ素銅のようです。何らかの役目があるとしたら、強い圧出で地板が薄くなったか穴があきそうな個所を補強した「絆創膏」・・・なんて?・・・いや、それなら補強個所が多すぎですよ。新人の未熟な金工がやってしまった! うん、これならわかる気がしないでもないのですが、そもそも本目貫は黒々とした赤銅地に金袋着で、当時としてはそれなりの高級品。果して未熟な金工に任せるものでしょうか。そうではなく、余ったからくっつけた? ちょっとした余興? 鑞付の訓練または実験? ん〜どれもこれも的外れの推測にしか思えません。合理的な説明をどなたか知ってらっしゃいますか?
この謎めいた本作の時代は桃山期で、陰陽根は後補だと思われます。金の袋着は破れた個所はほとんどなく健全。埃を丁寧に落せばかなり見栄えがよくなるでしょう。と、作品の解説はこれぐらいにして、全く異なる件を一つ・・・
えーと、最近どうしたのです?、日刀保さん。本作の彩色が金色絵とは・・・この目貫は金袋着ですよ! もうウットリも袋着も色絵も一纏めに色絵としてしまうつもりなのでしょうか? そのうち、鍍金も色絵のカテゴリになってしまいそうな・・・確かに広義では色絵の範疇ではありますが・・・でも、でもです、色絵の手法は時代を極める重要な極所。当店は、鑑定書に記載される色絵の括りが一つになってそれが常識になってしまっても、細かく分類していくつもりです。学術的な視点を無視したり遺棄することはありえません。なにせ古美術品ですから。ふう〜。

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