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目貫

目貫

布袋図(無銘・古金工)

商品番号 :MK-056

江戸初期 保存刀装具 桐箱入

70,000円

赤銅地 容彫 金銀平象嵌

表/長さ:3.15 cm  幅:1.59 cm  高さ:0.54 cm
裏/長さ:2.97 cm  幅:1.61 cm  高さ:0.55 cm
画題としてはありふれた布袋の目貫。でも何でしょう、この惹かれてしまう魅力は。私の勝手な好みですが、布袋の持つこの袋の“膨らみ”が惹きつける元のようです。宝物が入っているのか、豊かさを招く代物なのかは別として、さも福を感じるたっぷりとした袋。まるで「ドラえもん」の四次元ポケットのようなイメージが(失礼しました)・・・このデフォルメ感、嫌いではありません。彫も上手ですが、袋をまさぐる手、顔の表情、愛嬌たっぷりの仕草と構図が笑わしてくれます。まさに福の神。特にユニークなのが裏目貫の布袋様が袋の端を口にくわえて広げているところ。神様らしからぬお茶目な構図には、何か意味なり隠喩でも込めているのでしょうか。その布袋様の顔をよく見ると、二人とも金象嵌でシワが描かれています。これはちょっと余計なデザインだったかもと思いましたが、長寿も一緒に表現したと思えば良いことで(一人で納得)。そして意味不明な袋に描かれた銀象嵌の文様(かすれています)。一部は唐草だろうとは思いますが、何やらぐにゃぐにゃした線は文字ような・・・福?、花?、うーむ・・・読めません(だれか解読してください)。
造りは薄手の地金で圧出も強く良い出来。そして足は陰陽根になっていますが、生なのか後補なのかちょっと判断しかねるところです。ただ支金が本体と一緒の色合いと保存状態からすると生の可能性が高いと思いますが、足の長さが際端よりも1ミリ強長いところが時代の極所としては引っ掛かります。やっぱり生の足ではなく後補かも(都合のいい方に持っていくことに良心の呵責が)。

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