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目貫

目貫

枝牡丹図(無銘・蝦夷)

商品番号 :MK-058

江戸中期 保存刀装具 桐箱入

80,000円

四分一地 容彫 金鍍金

表/長さ:4.26 cm  幅:1.85 cm  高さ:0.63 cm
裏/長さ:4.04 cm  幅:1.83 cm  高さ:0.58 cm
謎多き蝦夷目貫のご紹介です。蝦夷地への輸出品だったということは記述なり史実からもあるようで、そこからこのカテゴリーが生まれたのは確かなようです。蝦夷目貫の特徴はざっと、かすれた風合いの鍍金、美濃目貫のように抜孔が多い、地板は山銅で薄い造、大振りなものが多い、などなど。江戸中期にはすでにこの独特な風合いの目貫が作られたようですが、室町・桃山期に現在言われている蝦夷目貫の特徴を備えていたは曖昧で全くわかっていません。なので蝦夷だから古いというは一概に言えず、現存しているほとんどはおそらく江戸中期以降の作と見た方が良いでしょう。
本目貫もその例に漏れず、江戸中期以降の作。裏行を見ると圧出は見られるものの型からの成形品、なので均一な薄さの造。足は生ですが長方形(陰陽根風にしてある)。表の形状はちょっと大振りで括りは見られずのっぺりとした姿。牡丹のデザインはかなり写実的、そして地金が四分一ですから、総体に江戸初期以前には時代を上げれません。蝦夷の最大の特徴である掠れた鍍金ですが、本目貫は通常の色絵のような・・・鍍金ではなく、色絵を施した後に表面を擦って古く見せた蝦夷目貫は江戸中期あたりからよく見られます。本目貫も一見古そうに見えますが、以外に新しい目貫のようです(といっても、江戸中期の作を新しいと言うのは当店ぐらいでしょうか)。もうひとつ、地金が四分一というのも古く見えている要因かもしれません。鍍金が掠れた風合いと少し白っぽい四分一の色がちょうどマッチングしていると思われます。とはいえ、こうした極所を踏まえても、本目貫は蝦夷の部類に入るわけです・・・だれが流派(カテゴリ)別けしたのかはしりませんが、あまり斜めに見ず蝦夷の風合いを楽しんでいただけたら幸いです。

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