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目貫

目貫

牛車図(無銘・古金工)

商品番号 :MK-071

桃山期 保存刀装具 桐箱入

売約済

赤銅地 容彫 金袋着

表/長さ:4.15 cm  幅:1.64 cm  高さ:0.64 cm
裏/長さ:4.08 cm  幅:1.76 cm  高さ:0.68 cm
牛車の目貫はよく見かけますが、本目貫の牛は独特のデフォルメイメージをしています。見たまま、牛が前面にせり出して来ます。いや〜デカイ顔、それに負けじとデカくて長い角。おまけに金で誇張されています。顔と角が作り出す存在感が全てを物語る目貫です。怒つい角を持った鬼のような顔は、ごっつい逞しさを通り越して愛嬌たっぷりです。荷車は引いているというより背負っている感じ。もはや体の一部のようで、合わせて一つの生き物にさえ見えます。全体のフォルムが間延びすることなく、こんもりとして愛らしいいイメージがまた良いのでしょう。なんか目貫らしくないというか、ペンダントやバッチの類に近い感覚があります。
見た目のユニークさとは裏腹に、造は極めて真面目でしっかりしています。裏行の圧出の見事なこと・・・いたるところに鑚跡が残り、表の彫に合わせて凸凹しているあたりは上手さが伝わります。括りも十分あるので足(根)もありません。地板は若干厚めですが、時代相応の厚さ。文句なく桃山期は十分にある造です。赤銅の色合いはかなり黒く、そこに金の袋着・・・意外に新しく見えますが金板の剥がれがほとんどなく、状態は申し分ありません。
ここまで、当店としては珍しく褒めまくりましたが、古い作の中で、上手さが光る造とユニークなデザインが一緒になって、それでいて保存状態の良い作は多くはありません。・・・イメージにあまり加点するのは如何なものかと思いますが、この顔と角に睨まれてすっかり惹かれてしまったようです。なので皆さんは、皆さんのご判断で評価してください。ちなみに、本目貫の極は古金工となっています。それ以外にはもって行けないでしょう。このイメージ、品格を是とする後藤家にはない作域です。果たしてどこの一派なのでしょうか。おしらく流派は探れないでしょう。でも、現代から賛辞を送ることはできます・・・作者の金工に、GOOD!

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