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鐔

山銅素文(無銘・古金工)

商品番号 :TB-046

江戸前期 保存刀装具 桐箱入

60,000円

丸形 山銅地 黒漆仕立素文 角耳小肉 小柄櫃孔

縦:7.45 cm  横:7.289 cm  切羽台厚さ:約0.42 cm  耳際厚さ:約0.32 cm

素文の鐔はどう紹介したらよいのか、ほとほと悩んでしまいます。山銅ということもあり、やっぱり風合いというか味わいというか素朴さが一番の魅力なんでしょうか。なにせ山銅の平地だけで何もありません。あるとしたら山銅の独特の色合いだけです。そんな本鐔に見所を挙げるとしたら、唯一、平地に黒漆が施されていることですね。とはいってもそれなりに使用されてきた実用鐔、随分と擦れて山銅の地色に馴染んだ色合いは、渋さがすべての一枚です。使い込まれたと言っても中心櫃孔を見る限り、いろんな刀に装着されたのではなく、同じ刀に長く使われた感じがします。その都度緩んでは鑚で寄せたのでしょう、責鑚の跡が中心櫃孔の周囲にまんべんなく残されています。その跡に黒漆の濃い色が擦れずに残されています。ということは、黒漆は後世の所作だと推測できます。元々は何も施されていない山銅地の素文だったとおもわれます。
こんな鐔ですから、時代の極はかなり難儀。鑑定書では古金工とされています。確かに中低の形状で山銅地、古金工に極めるのが自然です。でも、です。そこまで古くはないと・・・もう直感です。根拠はありません。当店は江戸前期が精一杯かと推測しています。時代に関してはお手上げ、皆さんも持論で極めてください。時代とは別に痕の報告をしておきます。表面右側にタテの引っかき痕のような跡と打痕。裏面の中心櫃孔の左上辺りに短い打痕が数個。素文なので表はちょっと目立ちますか? しかし、誉疵として許していただければ、本鐔も本望でしょう。これも風合いの一つを構成する要素で、ある意味、痕紋?・・・

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