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太刀・刀

(枝菊紋)近江守源久道 嫡子源金四郎

商品番号 :B-010-I-017+020

江戸前期 山城 特別保存刀剣 白鞘・拵付

売約済

刃長:60.6 cm 反り:1.5 cm 重ね:0.73 cm

体配
本造、庵棟、中心は生で孔は一つ、鑢目は筋違。
地肌
小板目肌少し肌立ち気味に流れ、刃寄りと棟よりは柾目心となる。
刃文
沸出来、矢筈風の箱がかった五の目乱れに太い足が入る。刃中に厚く小沸がつき深い匂口となり、金筋・砂流が頻りに所作する。
鋩子
直ぐに入り小丸となり先が掃掛ける。返りは浅目。
備考
京焼出から始まる鎺元から金筋・砂流が所作し、切先の鋩子に至るまで小沸が厚くそして盛んに働き、見た目以上に激しい刃文が本刀の見所です。三品系統の刀工によく見られる矢筈風の箱乱もまた一門の流れを受け継いだ作風で、丹波守吉道に似た簾刄風の雰囲気もないわけではありません。動きのある野趣に富んだ波紋が好みの方には気になる一振といえます。本阿弥光遜が「日本刀の掟と特徴」の中で「沸が足りず匂口が締まるものが多い」と評していますが、何のその、本刀には当てはまらないようで、ここまで沸がつき深い匂口を見たのなら驚くかもしれません。その驚きは、おそらく嫡子・源金四郎である二代・久道との合作による結果(出来)だと思われます。あくまで推測ですが、二代・久道の代作に近い作ではなかったかと思うのです。それとも、家風である三品系の作風を伝承するための一振・・・ちょっとドラマチックになり過ぎたでしょうか。あくまで憶測ですから鵜呑みにしないでください。
体配は身幅広めで元先に差があり反は強め、寛文と元禄頃の姿を足して二で割ったような姿をしています。まさかこの辺も親子それぞれの考え方を融合させた結果なのでしょうか。親子の合作刀ですから、あり得ないことではありません。それと長さが2尺ちょうどぐらい。定寸という概念が浸透した時代の作ですから、やはり誂えの一振だと思われます。もしそうでなければ、大脇指ということになりますが、どちらにせよ二人が気合の入れた一振には違いありません。
ご存知の通り初代久道は、伊賀守金道、越後守来金道、丹波守吉道、越中守正俊の三品四兄弟の一人で俗にいう京五鍛冶の一人です。寛文元年近江大掾を受領し、中心に枝菊紋を刻ることで知られています。

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