INTELLIGENCE
♯ 「100均」商品・その2
Copywritting by Nobuo Nakahara
前回、「100均」の事を書いたが、粗悪セロテープだけではなかったのである。第一に糊である。押型などの資料の整理に糊を使う事が割に多く、「100均」の安いのを使っていたら、すぐに剥がれてくるのである。粘着力がないのであり、その上、糊をつけた部分に変色がすぐ出る。恐らく、中国製で何をやっているのかわからない。
大事な資料の整理なので、糊も全て破棄して昔からある文房具店の高い糊を使っている。糊だけではない。押型を採る時の刃文描写に昔から「ハイユニ」鉛筆を多く揃えて使っていたが、その内、シャープペンに変えた。勿論、少し高いハイユニ芯である。しかし、「100均」の同じ品質という芯を使い始めたら、すぐに折れる。滑らかさがない等々で、すぐに使用を止め破棄した。“安物買いの銭失い”であった。反省しきり。書類のバインダーも、全く同様。
どうして日本の企業はいつからこういう姿勢で商売を考えたのか。これでは単なる浪費である。それよりも前に消費者にも問題があるといえよう。ただし、従来のメーカーや小売業にも問題がある。もっと良い知恵はないのであろうか。
ただし、「100均」で売っていた品物が、後に100年後200年後に残っているだろうか。万が一、残っていたら、それこそ“珍しい品物”とされるかも。私が長年、追い求め研究している戦国時代の足軽が使った拵の完品(絶対に現存しえないものであろう)と同じことになるのか…
(文責・中原信夫)