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INTELLIGENCE

♯ 空港職員の手荷物検査

Copywritting by Nobuo Nakahara

 

先日、半年ぶりに札幌の研究会に行ってきた。10月下旬であったが、数日前より天気予報で北海道は雪が降り、平地でも積もる恐れ有りとしていたので、一応、覚悟はしていった。昭和49年秋以来、北海道へは年2回入っているが、今までに霙にあったことがあるが、今回は雪にあった。市内は3℃くらいであって、時々、スコールのような雪が断続的に降ってくる。その雪も小さな粒で、霰状であった。こんな一日であったが、翌日は晴れて無事に羽田空港へ着いたのであるが、その前に新千歳空港では登録証で手間取ってしまった。

 

出発の2時間以上前であったが、とりあえず、刀の手続を済まそうと思い、カウンターを見たら、長蛇の行列。こんなことは初めて。途中、レントゲン検査?を通し、30分以上も待たされ、やっと搭載手続となった。

係の女子職員に刀である旨を告げ、登録証を全部見せて、本数を確認してもらったが、なかなか、手続完了とはいかない。私は後に長蛇の列が続いているので「ジュラルミンケース」(銃砲刀剣箱)を持ってきて収納してくださいと依頼し、持込まれたケースへの収納を手伝った。それからである。その女子職員は「許可証を見せてください…」と言ったのである。つまり、この職員は登録証と許可証の区別も知らないのであった。

私は、銃は対人の許可証、刀は対物の登録証であります。すぐ前で、登録証を見せたではないかと説明したが、半信半疑。近くの古い職員に聞いて、やっと何となく了解。手廻品で羽田で手渡しますのでサインを。と言ったので、サインをしてやっと終了。

 

こんなことを永々とやっていたらどうなるか。現にこの話の途中で、現物の刀を確認したいとの発言があったので、これは拒否した。だから登録証を見せたではないかと少し強く言ったら、この件はなしになった。

公衆の面前で、そのような要求をするとは全く呆れる。つまり、航空会社のマニュアルが上手く作用していないでいる。しかも、新米の職員に限って、このような愚行が繰返される。

私は「刀は客室の下の格納庫に入るのだから、客室内には持込まない。なのにどうして、そんなに条件をつけるのか…」と少々強く主張したのである。その間、登録証をカウンターのデスク上に置いて、右往左往するので早々に、登録証だけは取り戻した。

別にこの女子職員に悪気は全くないのであるから、少々気の毒な気もするが、スムーズに手続を行うやり方を客の私がどうして指南しなければいけないのか。それによって、他の乗客に私の荷物に刀があることがわかり、私にとっては決して、安心してはいられない状況になる恐れもある。

空港カウンターまで随行してくれた知人は、初めて見る光景に私の苦労の一端をわかっていただいたのかもしれない。
(文責・中原信夫)

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